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アスマさんとシカマル君が来て、綱手さんが彼らに事のあらましを説明する。
2人は驚いた様子だったが、取り乱すことはなかった。さすが忍と言ったところか。
「これから鳴海の見た情報を元に、作戦を立てる。シマカル、しっかり働いてもらうぞ。」
「アスマの命がかかってんだ。流石に俺もめんどくさがってらんねぇっすよ。」
そう言ってシカマル君は私を見た。
「さっそくだが鳴海さん、あんたの見たこと聞いたことを事細かく教えてくれ。」
私は頷き、彼らに全てを伝えた。
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そして、その時が来た。
火の国にある、火の寺が襲われた。
敵はおそらく暁。
里の優秀な忍を集めて、私の情報を元に目星をつけた換金所へ彼らは向かう。
その中にはアスマ班の皆もいる。
私はネジからその事を聞き、彼らが無事に帰ってくる事を祈った。
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その日の夕方、夕食の準備をしている時だった。
玄関のベルが鳴る。
「出てくる。」
ネジが玄関へ向かう。
彼は程なくしてこちらへ戻ってきた。
「お客さん?」
私の言葉に彼は首を振る。
その顔はやや暗い。私の脳内に嫌な予感が駆け巡る。
「鳴海、落ち着いて聞いてくれ。」
いやだ、それ以上言わないで。
「アスマ先生が、殉職したそうだ。」
ほら。やっぱり。
「そう。」
私の心は悔しさと怖さでゴチャゴチャになる。
でもこれだけは言える。
「やっぱり、私も行くべきだった。」
「そうしたら、お前が死んでいたかもしれない。」
ネジの言葉に何も言い返せない。
私にはまだまだ力がないから。
そう、力がないから部隊にも入れてもらえなかった。
強くならなくては。
もっと、もっと、強く。
私は拳を握りしめた。
「明日、葬儀が行われる。お前も来いと、火影様が仰ったそうだ。」
「……分かった。」
"葬儀"と聞いて、思わず涙がこぼれ落ちそうになる。
しかしそれは我慢した。
泣くくらいなら、もっと強くなれ。
私はネジに背を向けて言う。
「ネジ。明日から、修行の量増やして。」
「しかし……。お前も落ち込んでーー」
「落ち込んでなんていられない。」
私はネジの言葉を遮って言う。
「私、もっと強くなるから。もっともっと強くなって、いつか、ちゃんと誰かを守れるように。必要とされるようになる。」
声が震える。
私が泣くのを堪えていることは、きっとネジにはバレているのだろう。
彼は、何も言わずに私の肩に手を置いた。
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アスマ先生の葬儀が終わった後、俺と鳴海は火影室に呼ばれていた。
「鳴海。今回の件で、お前を監視対象から外すことになった。今までは暗部の者もつかせていたが、今後は護衛としてネジのみを付ける。ネジに任務が入った時は、代わりに日向トクマという人物を付ける。トクマ、入ってこい。」
「はい。」
その言葉と共に扉が開く。
そこにはネジと同じ眼を持った男性がいた。
「日向トクマです。俺が護衛につく事は稀になるでしょうが、その時はよろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
私は言いながら頭を下げる。
再び綱手さんが話をし出す。
「それともう一つ。お前の存在と能力を里の忍のみに公開することにした。今後もお前の能力に皆が助けられる時があるだろうからな。」
でも、アスマさんは助けられなかった。
そう思いながらも私は頷く。
「……はい。分かりました。」
その後少しの沈黙が流れ、綱手さんが口を開いた。
「……アスマのことは、すまなかった。」
「……いえ。悪いのは力がない私です。」
「鳴海、そんなことは……。」
ネジが私を気遣うようにこちらへ近づくも、彼の言葉は続かなかった。
綱手さんが口を開く。
「あまり、自分を責めるなよ。」
私はそれに頷くことも出来ない。
「話は以上だ。帰って休め。」
その言葉を聞き、私たちは火影室から出るのだった。
今回のアスマさんの件で、私は思い知った。
この世界は、私にとってもう大切になりつつある。
私の大切な人のいる世界だから。
ネジのいる世界を里を、私も守りたい。
元の世界に帰るかどうかはまだ分からない。
でも、この世界のことでもう後悔はしたくない。
だったら、私に出来ることを精一杯やろう。
忍としての憎しみの連鎖も、しがらみもない私だから出来ることが、きっとあるはずだ。
私は新たな決意を胸に歩き出すのだった。