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ーー「既にテメェは、俺に呪われた。これより儀式を始める。」
「さぁ、俺と一緒に最高の痛みを味わおうぜぇ!!」
「死ねぇ!!」
「させるかぁ!!」
「やっと、やっとあの痛みを味わえる。テメェを殺す痛み!」
「やめろぉおぉお!!!」ーー
ガバリと布団から飛び起きる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……ーー」
辺りは既に明るい。もう朝だ。
しかし私はそんなことより今見た予知に意識の全てを持っていかれていた。
「(アスマさんっ!!)」
ネジと綱手さんに報告しなくては。
そう思った、その時だった。
「鳴海、大丈夫か? 開けるぞ。」
隣の部屋からネジの声が聞こえ、襖が開く。
おそらく白眼でこちらの様子を伺っていたのだろう。
「今日はやけにうなされていたな。」
彼は私の布団に近づきながら言い、目の前に腰掛けた。
「ネジ。綱手さんに、急いで報告したいことがあるの。」
私の表情を読み取って彼も顔を険しくした。
「何か見たんだな。重要な事を。」
その言葉に頷く。
「よし、軽く朝食を食べたらすぐに火影様に会いに行こう。」
「うん。」
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朝食後すぐ身支度を整えて、私達は綱手さんの所に来ていた。
そして私は、夢で見た内容を簡潔に綱手さんに説明する。
「何!? アスマが殉職する未来だと!?」
話を聞くなり、彼女は驚いた様子でそう言う。
私の隣のネジも驚いた雰囲気を醸し出している。
「はい。今までも2回ほど些細なことで予知夢を見ましたが、どちらも当たりました。今回も…きっと…。」
「それで、敵の能力は見れたのか? 特徴などもあれば教えてくれ。」
その言葉に、私は夢の内容を思い出す。
「それが……よく分からない能力を使う男で……と言うより、まるで、そう。不死身のような男でした。特徴は、黒に赤い雲模様のマントのようなものを着ていました。」
私の言葉に、カッと目を見開く綱手さん。
どうやら敵に心当たりがあるようだ。
「暁か……! 奴らが一筋縄ではいかんことは分かっていたが、まさか不死身の奴までいるとはな…。」
私は言葉を続ける。
「首を飛ばされても、生きていました。実はもう1人居たのですが、そいつはほとんど戦闘に参加してなかったので……能力はよく…分かりません。腕が伸びてたくらいしか……。」
それを聞き、綱手さんは少々考える素振りを見せ、再び私に視線をやった。
「………鳴海、その不死身の男の戦争スタイルについて、思い出せる限りで良い。話してくれ! その前にシズネ! アスマとシカマルを呼んでこい! 鳴海の話を元に作戦を立てるぞ!」
「は!」
シズネさんは急いで火影室から出て行った。
私は先ほどから考えていた事を綱手さんに話そうと心に決める。
「綱手さん、お願いがあります。」
「ん? 何だ。」
「奴らとの戦闘の時が来たら、私も戦いに参加させてくれませんか?」
私の言葉に彼女は顔を顰めた。
ネジが横でやや大きな声で言う。
「なっ、ダメだ!」
「ネジの言うとおりお前を行かせる訳にはいかん! 暁は危険な集団だ! お前では手に負えん! 私の選んだ手練れ達を行かせる!」
「なら、せめて! 戦闘じゃなくても! 後方支援とか、戦いが終わった後でも良いんです! もし瀕死の重症の人が出たとしても、私の時戻しなら、一瞬で完璧に治すことが出来ます!」
「ダメと言ったらダメだ! 仮にサクヤの言っていることが本当だとして、これから暁が戦争を起こそうとしているのに、お前の情報をみすみす敵にくれてやることになるやもしれん!」
「しかし!」
くってかかる私の肩にネジが手を置く。
「鳴海! お前は暁の恐ろしさを知らないからそんな事が言えるんだ。 奴らは尾獣狩りと言って、忍の中でも特別な力を持った奴らを次々と生け取りにしている。かつては傭兵としても優秀だったと聞く。お前では力不足だ!」
「それは分かってる!」
「いいや、わかっていない!」
「ネジ! この目で彼らがどんな奴らなのかしっかりと見た! 私じゃ力も経験も不足してるのは分かる!」
私の言葉に、ネジは言い聞かせるように私に言う。
「……! それなら、お前は里で大人しくしているんだ。」
「でも……何でなのか分からないけど、行かないと行けないって、そう思うの。どうしても、私が行かなきゃいけないんだって!」
「何故だ! これからお前の話を軸に作戦を立てるんだぞ! そうすれば最悪の事態は避けられーー」
「どうしてそう言い切れるの? ネジも知ってるでしょ? 今まで、私の予知は外れなかった。」
思わずと言った様子で、ネジが押し黙る。
「………。」
しばしの沈黙が火影室に流れた。
「鳴海。お前の言い分は分かった。」
綱手さんの言葉に、私は彼女を見やる。
「しかしお前は行かせない。代わりに、隊に優秀な医療忍者を付かせる。これは決定事項だ!」
「アスマさんは、何ヶ所も急所を深く貫かれていました。そんな状態でも治せる医療忍者が、この里にはいるんですか?」
私の言葉に、今度は綱手さんが押し黙る番だった。
しかし彼女は険しい顔をこちらに向けて言う。
「そうはならない。これから対策を立てることで、未来を変える!」
彼女の意思の強さを、その瞳から感じた。
私が折れるしかなかった。