【疾風伝】①
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここ数日、私は日向家で1人で過ごしていた。
ーー1人といっても暗部の監視と護衛は私の知らないところで行われているらしいが。ーー
なんでも木の葉の里と同盟関係にある砂隠れの里の長"風影様"が暁にさらわたそうで、ネジはその増援部隊に選ばれた。
暁。サクヤが言っていた、もうすぐ戦争を起こそうとしている危険な組織だ。
私はネジが無事に帰ってくる事を信じながらも、心は不安でいっぱいだった。
ネジだけではない。テンテンやリーくん、ガイさんだって心配だ。
何事もなく帰ってきて欲しい。
そう思いながら夕食の買い出しの帰り道を歩いていた、その時。
「鳴海。」
後ろからいつもの低めの声が聞こえて、肩をポンと触られる。
振り返ると、そこにはネジがいた。
「ネジ! 何でここに!? 今帰ってきたの? 怪我は? 任務は大丈夫だった?」
矢継ぎ早に話しかける私に彼は苦笑いする。
「心配しすぎだ。任務も俺も、問題ない。今からそこのおぶられているカカシ先生を病院に連れて行く所だ。」
「そう…、ネジが無事で良かった。」
ホッと胸を撫で下ろすと、ネジの後ろに何人かの人がいることに気がつく私。
その中にはガイ班のメンバーもいるが、知らない人達もいる。
「ネッ、ネジ!! お前まさか! いつの間に彼女なんて作ったんだってばよ!!」
「ネジさん、こちらの方は?」
黄色の髪の毛の元気な男の子と、ピンクの髪の毛の女の子がネジに話しかける。
もう一人、顔が1/3くらい隠れている銀髪の男性もいるが、彼はガイ先生におぶられていてほぼ死んだような顔をしている。
「そっ、そんなんじゃない。彼女は、俺の遠い親戚みたいなもので、最近木の葉に来たんだ。」
ネジはやや狼狽えながら男の子に説明する。
私は木の葉の里では最重要機密になっているらしいから、本当の事を言えないのは心苦しいが仕方ない。
「鳴海です。初めまして。」
私は軽く頭を下げて挨拶する。
「俺はうずまきナルトだってばよ!」
「春野サクラです。」
黄色の髪の毛の男の子と、ピンク髪の毛の女の子が私に話しかける。
「よろしくね、ナルトくん、サクラちゃん。」
「あのさ、あのさ! 鳴海のねぇーちゃんってば、俺たちよりちょっと年上!?」
ナルトくんが私に問う。
私は少々迷いながらも、見た目の方の年齢を言う。
「歳? まぁ一応、19歳……かな。」
「そうなのか! じゃあ鳴海姉ちゃんだな!」
「ちょっとナルト! レディーに歳を聞くんじゃない!!」
サクラちゃんがナルトを嗜める、
「あはは。良いよ、サクラちゃん。気にしてないから。」
「すみません、鳴海さん。」
ナルトくんの代わりに私に頭を下げる彼女は面倒見が良いようだ。
「気にしないで。そんなことより、ガイ班の皆も無事で良かった。1人……ご無事じゃない人もいるみたいですけど……。」
私はガイ先生におぶられた銀髪の男性を見る。
「む? このカカシなら、心配あるまい!! なんせ俺の永遠のライバルだからな!」
どうやら、おぶられている人はカカシさんというらしい。
心配はいらないらしいが、よく分からないことを言うガイ先生。
相変わらずだ。
「はぁ、そうなんですか……。」
とりあえずなんとなく返事をしておく。
「とにかく、俺たちは一度病院へ行ってその後火影様に任務報告をしてくる。鳴海、お前はさきに帰って待っていろ。」
ネジが言った言葉に私は頷く。
「うん、分かった。」
そうして私は彼らと別れ、家路に着くのだった。