9ヶ月目
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それが起こったのは、ネジと食材の買い物に行っている時だった。
全くの予想外だったのだ。
まさか、私が攫われるなんて。
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私は今、八百屋でネジと買い物をしている。
店内を見て回っていると、八百屋のおじさんが話しかけてきた。
「よぉ嬢ちゃん。最近、日向の倅とよく来るねえ。もしかして、コレかい?」
おじさんは小指を立てる仕草をしながら聞いてくる。
「やだもう、違いますよ〜!」
私はその冗談を軽いノリで否定する。
すると横のネジの雰囲気が変わった気がした。
「外にいる。」
彼はいつもの仏頂面をさらに無愛想にさせて店外へと行ってしまった。
おじさんが首を傾げながらネジを見る。
「おいおい。ちょっとは相手してやれよぉ。日向の倅、拗ねちまったんじゃねぇの?」
「えっ? いやいや、こういう類の話が苦手なだけですよ、きっと。」
「そうかねぇ。」
おじさんはやれやれといった雰囲気だ。
しかしネジだって私が向こうの世界で29歳だったことは知っている。
それに私が元の世界に帰れるかもしれないこともだ。
そんな女をわざわざ好きになったりするネジではないだろう。
私は自分にそう言い聞かせ、買い物の続きをしようとした、その時だった。
ドカァンという音と共に八百屋の店内の壁が破られた。
しかもその壁は私がいた丁度目の前の壁。
破られた壁からマントを目深に被った輩ーー中肉中背とやたらガタイの良いおそらく男ーーの2人が中に入り込むと、ガタイの良い方がすぐさま私を捕まえてきた。
「ちょ……!……離して!!」
しかし二人組の輩は素早く破られた壁の穴から逃げるようにして外へ出る。
が、既にネジと暗部の2人が彼らを囲んでいた。
「何者だ!」
彼らはネジの問いに答える気はないらしい。
男は煙玉を放ち凄い勢いで移動し出した。
私は何も出来なかった自分を情けなく思いながら、煙玉の煙を吸い意識を失うのだった。
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鳴海を連れ去ったマントの二人組が何かを放った。
「煙玉!」
しかし俺は白眼で敵の位置を感知している。
「気をつけろ! 催眠タイプの煙玉だ! 迂闊に吸うなよ!」
暗部の1人がそう声がけた。
もちろん俺もその可能性を見越して吸ってはいない。
いったん煙の中から出る。
八百屋の屋根へと降り立った俺と暗部の2人。
「俺がこのまま後をつける! お前たちは火影様に増援をーー」
その言葉を遮ったのは1人の暗部のだった。
「いや、後をつけるのは俺たちだ。お前は火影様に増援要請したあと、白眼を使って増援を連れてこい。目印はつけておく。行くぞ!」
そう言うだけ言って、暗部の2人は消えていなくなった。
「くそっ!」
俺はそう吐き捨てながら、火影の元へと向かう。
「(鳴海…! 無事でいろ…!)」