8ヶ月目
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あぁ、いつもの夢だ。
今日も私の目の前に誰かが立っている。
いつもはぼんやりとしているその人が、今日ははっきりと見えた。
黒髪のマッシュヘアに、ピアスやネックレスをつけた男。
年は三十代くらいだろうか。
「救え! そうすればお前は元の世界へ帰れる!!」
その言葉を聞いた瞬間、私は飛び起きた。
「……はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
なぜが荒い呼吸を整えて、さっきの夢のことを考えていると、隣の部屋からネジの声が聞こえた。
「鳴海、大丈夫か?」
おそらく白眼でこちらのチャクラの様子を見ていたのだろう。
「……うん。大丈夫。」
なんとか答える私に、ネジは矢継ぎ早に問う。
「何を見た? 開けるぞ。」
言いながら、こちらの部屋へと繋がる障子を開ける。
「なんか……救えば、元の世界へ帰れるって……。」
「元の世界? それは予知夢か?」
彼は私に近づきながら、問う。
私はそれに首を横に振る。
「そういう感じじゃなかった。男の人が目の前に立ってて、私に必死に話しかけてた。」
「……男?……。」
ネジが訝しげに呟く。
「私のチャクラ、どうなってた?」
「いつも通りだ。目の当たりに練ったチャクラが集中していた。飛眼がらみと見て間違いはなさそうだが、予知ではないとすると、いったい何の術だ?」
「私も分からない。」
2人の間に沈黙が流れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が鳴海の護衛兼監視の任に就いて8ヶ月が経とうとしている。
彼女は不思議な女性だ。
修行中はこちらが圧倒されるほどのチャクラを出したり、上忍の俺でも感心する量の影分身を出したりする。体術の能力も上がってきている。
それなのに、普段の彼女ときたらただの一般人でしかない。
俺が気配を消して近づけば驚くし、忍術や白眼を見せれば凄いとはしゃぐ。
何より不思議なのは、彼女のその目まぐるしい変化を、楽しみにしている自分がいることだ。
それでも彼女の見たくない表情もある。
それは涙だ。
鳴海が泣いた時、俺はどうすれば良いか分からなくなり、困惑した。
と同時にその涙を止めたいとも思った。
そして彼女の頭を肩にもたれかからせたのだ。
驚いたのは、彼女が泣き止んで離れていく際に名残惜しく感じたことだ。
涙は止めて欲しい。でももう少しこうしていたかった、なんて、なんて我儘なのだろう。
そもそも、俺と鳴海の関係は任務という繋がりでしかない。
それなのに。
彼女が元の世界へ戻れるかもしれないという夢を見たと聞いた時、心臓が跳ね上がった。
柄にもなく動揺した。
彼女にはバレてはいないだろうが。
……離れがたい。
何故そんなふうに思うのか、今はまだ気付きたくはない。
気付いたところで、俺は彼女の護衛兼監視役。
どうこうなれるはずもない。
今はまだこの気持ちに蓋をして、気付かないフリをしよう。
もし彼女が本当に元の世界へ帰れるなら、その時に笑って送り出せるように。
今日も私の目の前に誰かが立っている。
いつもはぼんやりとしているその人が、今日ははっきりと見えた。
黒髪のマッシュヘアに、ピアスやネックレスをつけた男。
年は三十代くらいだろうか。
「救え! そうすればお前は元の世界へ帰れる!!」
その言葉を聞いた瞬間、私は飛び起きた。
「……はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
なぜが荒い呼吸を整えて、さっきの夢のことを考えていると、隣の部屋からネジの声が聞こえた。
「鳴海、大丈夫か?」
おそらく白眼でこちらのチャクラの様子を見ていたのだろう。
「……うん。大丈夫。」
なんとか答える私に、ネジは矢継ぎ早に問う。
「何を見た? 開けるぞ。」
言いながら、こちらの部屋へと繋がる障子を開ける。
「なんか……救えば、元の世界へ帰れるって……。」
「元の世界? それは予知夢か?」
彼は私に近づきながら、問う。
私はそれに首を横に振る。
「そういう感じじゃなかった。男の人が目の前に立ってて、私に必死に話しかけてた。」
「……男?……。」
ネジが訝しげに呟く。
「私のチャクラ、どうなってた?」
「いつも通りだ。目の当たりに練ったチャクラが集中していた。飛眼がらみと見て間違いはなさそうだが、予知ではないとすると、いったい何の術だ?」
「私も分からない。」
2人の間に沈黙が流れた。
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俺が鳴海の護衛兼監視の任に就いて8ヶ月が経とうとしている。
彼女は不思議な女性だ。
修行中はこちらが圧倒されるほどのチャクラを出したり、上忍の俺でも感心する量の影分身を出したりする。体術の能力も上がってきている。
それなのに、普段の彼女ときたらただの一般人でしかない。
俺が気配を消して近づけば驚くし、忍術や白眼を見せれば凄いとはしゃぐ。
何より不思議なのは、彼女のその目まぐるしい変化を、楽しみにしている自分がいることだ。
それでも彼女の見たくない表情もある。
それは涙だ。
鳴海が泣いた時、俺はどうすれば良いか分からなくなり、困惑した。
と同時にその涙を止めたいとも思った。
そして彼女の頭を肩にもたれかからせたのだ。
驚いたのは、彼女が泣き止んで離れていく際に名残惜しく感じたことだ。
涙は止めて欲しい。でももう少しこうしていたかった、なんて、なんて我儘なのだろう。
そもそも、俺と鳴海の関係は任務という繋がりでしかない。
それなのに。
彼女が元の世界へ戻れるかもしれないという夢を見たと聞いた時、心臓が跳ね上がった。
柄にもなく動揺した。
彼女にはバレてはいないだろうが。
……離れがたい。
何故そんなふうに思うのか、今はまだ気付きたくはない。
気付いたところで、俺は彼女の護衛兼監視役。
どうこうなれるはずもない。
今はまだこの気持ちに蓋をして、気付かないフリをしよう。
もし彼女が本当に元の世界へ帰れるなら、その時に笑って送り出せるように。