6ヶ月目
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俺は一体何をやってしまったのだろう。
彼女が涙を見せた時、居ても立っても居られなくなり、彼女の頭をこちらへ引き寄せた。
なぜあんな行動をとってしまったのか。
鳴海はただの護衛兼監視対象でしかないはずなのに。
どうしてあんなに心が揺さぶられたのだろう。
まさか、数ヶ月一緒に過ごしただけで絆されたとでもいうのだろうか。
いや、それはない。ない、はずだ。
この俺がそんなに簡単に絆されるなんて。
鳴海が、いつからか特別になっていただなんて。
そんなはずはない。
……じゃあ一体、あの時の行動の意味はなんだったのだ。
……これでは堂々巡りだ。
とにかく、彼女は俺にとって任務の対象でしかない。
それ以下でも、以上でもないはずだ。
そうだ。そのはずだ。
それはこれからも変わらない。
あの時はただ、彼女を少し不憫に思っただけだ。
だから普段取らないような行動をとっただけ。
そう、それだけだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれから数日。
私はネジのはからいで修行を休んでいた。
私にとってはとても有難い提案だった。
今は修行をやる意味さえ見出せないのだから。
何日ボーッと過ごしただろうか。
食事だけは作って、ネジと一緒にご飯を食べて、あとは自室でぼんやりと過ごす。
そんな日が続いた。
どうやら私はこのままこの世界で生きていかなければならないらしい。
仕事はどうしようか。
このまま綱手さんにお金を借り続けるわけにはいかない。
せっかく忍の基本を習ったのだから、忍者にでもなってみようか。
それも良いかもしれない。
どうせ未来を変えるために動かなければならないなら、そのほうが都合が良いかもしれない。
そもそも何で未来を変えなければならないんだっけ?
確か、この里とこの世界に危機が訪れるから、だっけ…。
ということは、ネジにも危険が迫るのだろうか。
それは嫌だな、と思う。
彼の辛い過去を知ってしまったからか、彼には幸せになってほしいと思うのだ。
忍をやっている以上は無理かもしれないが、できるだけ危険からは遠い場所にいてほしい。
忍の世界は憎しみの連鎖だと、前にネジが言っていた。
そんな世界にいる以上、ネジも多くの危険に晒されるだろう。
でもそれはネジだけではない。
多くの忍が、その連鎖の中で生きて死んでいくのだ。
だとすれば、その連鎖の中にいない私はなんなのだろう。
もしかしたら、その連鎖を知らない私だからこそ出来ることが、何かあるのではないだろうか。
この世界のことを、知らないからこそ出来ることが。
私は寝転がっていた体を起こす。
そして隣の部屋の障子をノックした。
「ネジ、今いい?」
「あぁ。……どうした?」
ネジが立ち上がる気配がし、少しして障子が開いた。
向かい合う私たち。
「私に、また修行をつけて欲しいの。」
「……。それは構わないが、お前はそれで良いのか?」
「うん。私だから出来ることが、何かあるかもしれないし。」
「……そうか。」
ネジは少し安心したような表情を浮かべた。
この数日だいぶん心配をかけたようだ。
それについて謝れば、ネジはいつものように"気にするな"と言った。
私の、新しい人生が始まろうとしていた。
彼女が涙を見せた時、居ても立っても居られなくなり、彼女の頭をこちらへ引き寄せた。
なぜあんな行動をとってしまったのか。
鳴海はただの護衛兼監視対象でしかないはずなのに。
どうしてあんなに心が揺さぶられたのだろう。
まさか、数ヶ月一緒に過ごしただけで絆されたとでもいうのだろうか。
いや、それはない。ない、はずだ。
この俺がそんなに簡単に絆されるなんて。
鳴海が、いつからか特別になっていただなんて。
そんなはずはない。
……じゃあ一体、あの時の行動の意味はなんだったのだ。
……これでは堂々巡りだ。
とにかく、彼女は俺にとって任務の対象でしかない。
それ以下でも、以上でもないはずだ。
そうだ。そのはずだ。
それはこれからも変わらない。
あの時はただ、彼女を少し不憫に思っただけだ。
だから普段取らないような行動をとっただけ。
そう、それだけだ。
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あれから数日。
私はネジのはからいで修行を休んでいた。
私にとってはとても有難い提案だった。
今は修行をやる意味さえ見出せないのだから。
何日ボーッと過ごしただろうか。
食事だけは作って、ネジと一緒にご飯を食べて、あとは自室でぼんやりと過ごす。
そんな日が続いた。
どうやら私はこのままこの世界で生きていかなければならないらしい。
仕事はどうしようか。
このまま綱手さんにお金を借り続けるわけにはいかない。
せっかく忍の基本を習ったのだから、忍者にでもなってみようか。
それも良いかもしれない。
どうせ未来を変えるために動かなければならないなら、そのほうが都合が良いかもしれない。
そもそも何で未来を変えなければならないんだっけ?
確か、この里とこの世界に危機が訪れるから、だっけ…。
ということは、ネジにも危険が迫るのだろうか。
それは嫌だな、と思う。
彼の辛い過去を知ってしまったからか、彼には幸せになってほしいと思うのだ。
忍をやっている以上は無理かもしれないが、できるだけ危険からは遠い場所にいてほしい。
忍の世界は憎しみの連鎖だと、前にネジが言っていた。
そんな世界にいる以上、ネジも多くの危険に晒されるだろう。
でもそれはネジだけではない。
多くの忍が、その連鎖の中で生きて死んでいくのだ。
だとすれば、その連鎖の中にいない私はなんなのだろう。
もしかしたら、その連鎖を知らない私だからこそ出来ることが、何かあるのではないだろうか。
この世界のことを、知らないからこそ出来ることが。
私は寝転がっていた体を起こす。
そして隣の部屋の障子をノックした。
「ネジ、今いい?」
「あぁ。……どうした?」
ネジが立ち上がる気配がし、少しして障子が開いた。
向かい合う私たち。
「私に、また修行をつけて欲しいの。」
「……。それは構わないが、お前はそれで良いのか?」
「うん。私だから出来ることが、何かあるかもしれないし。」
「……そうか。」
ネジは少し安心したような表情を浮かべた。
この数日だいぶん心配をかけたようだ。
それについて謝れば、ネジはいつものように"気にするな"と言った。
私の、新しい人生が始まろうとしていた。