その日の夜、また不思議な夢を見た。

なんと、私がネジの肩を借りて彼に頭を乗せているではないか。
まるで恋人同士のような態勢で寄り添っている。
どうやら手も繋いでいるようだ。

これは一体なんだ。
未来予知なのか、ただの無意味な夢なのか。

朝、朝食を食べながらネジが私に話しかけた。

「昨日も眠りながらチャクラを練っていたぞ。何か見たのか。」

「………。」

「鳴海？」

ネジにチャクラを練っているのを見られたということは十中八九あの夢は予知夢だろう。
しかし、あんなことあり得るのだろうか。

「うーん。」

私はネジを差し置いて1人で考えこむ。

「おい、聞いているのか。」

「いや、それがねぇ。なんかあんまり覚えてなくて。」

「………そうか。何か思い出したらすぐに報告しろ。」

「うん、わかった。」

私は盛大に誤魔化した。聡明なネジをこれで騙し切れたかはわからないが。

しかし不思議な予知だった。
あれじゃあまるで私たちが付き合うのかとでも思えてくる。
うん？
いや待て待て。
いくらネジが落ち着いてて実年齢より年上に見えるからって、一回りも下の子と付き合うのはないだろう。
ないない。
うん、犯罪だしな。
ネジはまだ16歳。
私は若返って19歳になったからって、それにしてもいかんだろう。精神年齢を考えると。
うん、そうだ。

あの予知夢は何かの間違いだろう。
たぶんまだコントロールが効いてないせいだ。
そのせいで変なモノを見たのだ。

私は自分にそう言い聞かせ、平静を装った。

ネジと付き合うことに意外にも違和感が湧かなかったことに、内心でとても動揺しているのを悟られぬように。