5ヶ月目
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こちらの世界に来て5カ月が経とうとしていた。
「見て見て! ネジ! 出来た!」
私は今、日向家の池の上に立っている。
そう、チャクラコントロールをマスターしたのだ。
水の上でぴょんぴょん飛び跳ねたりしてみてもぐらつく事はない。
「あぁ。完璧だな。次はこの木の上まで行ってみよう。」
そうの言葉に頷き、庭に生えている一本の大きな植木に向かう。
足にチャクラを溜めて木を垂直に歩く。
水より難しい気はするものの、なんとか上の方まで歩き、太い枝に立つ。
「で、できた!」
ネジも少し笑ってこちらを見ている。
「よく頑張ったな。そうしたら、今度からは木の上の移動を覚えよう。忍びの基本の移動方法の一つだ。」
私の忍としての基礎が徐々に出来つつあった。
体術も少しずつレベルアップしている。
ただ飛眼の予知と過去見る力のコントロールはまだ出来ないし、時空間忍術は使えたことがない。
しかし努力の甲斐あって色々できるようになってくると、最初はしぶしぶやっていた修行もだんだん面白くなってくる。
ネジの教え方が上手いのもその原因のひとつかもしれないが。
ここまできたなら時空間忍術までマスターしたい、そう思うようになってきた矢先、変化は起きた。
ネジと夕食をとっている時だ。
ご飯を食べながら元の世界のことを考えていた。
「(もう何カ月も帰ってない私の部屋、埃たまってるんだろうなぁ。)」
そんなことを思いながら空になったコップを見つめていると、ふとコップが歪み、パッと消えた。
「……えっ、……あれっ!?」
「どうした?」
ネジが何事かと私に問う。
「今、コップが……!…消えた!…ない!」
「……!」
何が起きたのかネジは一瞬で判断したらしい。
「これもおそらく飛眼の力だろう。時空間忍術が発動したんじゃないか?」
「うそ、ボーッと元の世界の家のこと考えてただけなのに?」
「高槻一族が使う時空間忍術はある種の想像力が必要になると本に書いてあった。前の家を想像しコップが消えたなら、前の家にコップを飛ばしたんじゃないか?」
「……!」
それを聞いて私は胸が高鳴るのを感じた。
本当に物を異世界に飛ばせたのだとしたら……。
ゆくゆく術をマスターすれば自分自身をもう一度異世界へ飛ばせる可能性もあるということだ。
つまり、いつか帰れる日が来るかもしれない!
「……それって! つまり! 私も元の世界に帰れるかも!」
「あぁ。可能性は十分にある。」
「!! ネジ! 明日から眼のコントロール訓練もっと増やそう!」
「待て。急に目を酷使してまた暴走するのも良くない。増やすなら徐々にだ。」
「わかった!」
私は笑顔で頷いた。
ネジもうっすらと笑っている。
「あっ! コップごめん、一個無くしちゃって。」
「いや、向こうに飛ばせたなら、こちらに戻すことも出来るだろう。一先ずの目標は、向こうへ飛ばしたコップをこちらへ戻すことにしよう。」
「なるほど、戻すこともできるのか。便利な目。」
へぇ、と自分の目の力に感心する。
「自分自身を時空間忍術で飛ばせるなら、それくらいは朝飯前だろう。もちろん、慣れるまでは難しいだろうがな。」
「うん、頑張る!」
今は何を聞いても前向きでいられる気がした。
それくらい、今回の出来事は私にとって希望の光だった。
その希望が、すぐに打ち砕かれるとも知らずに。