④
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それは"時渡り"のコントロールの修行中のことだった。
鳴海はチャクラを練って眼に意識を集中させている。
すると彼女の頬に赤い彼岸花の紋様が浮かび上がった。
ここまでは普段と変わらなかった。
ただ普段と違うのは、彼女が飛眼を発動したまま目を見開いたことだ。
「……何…これ…!」
そう彼女がつぶやいた。
「どうした?」
「……ぐっ! ………うぁぁあ。」
俺の問いかけには答えず、彼女は急に頭を押さえて苦しみ出す。
「鳴海!」
俺は急いで彼女に近づいた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっーー」
鳴海は呼吸を荒くして何かに耐えている。
少しの間それが続き、彼女が落ち着いてきた頃。
「ネジ。綱手さんのところに行かなくちゃ。」
「……! まさか、時渡りが成功したのか?」
「たぶん。でも今度も、良い未来じゃない。」
彼女は足元を睨みながら拳を握り締める。
俺たちは急いで火影様の所へ向かうのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
火影室に着き、私は綱手さんを見る。
「綱手さん。就業中、時渡りが成功し未来を見ました。」
私の目を見て彼女は口を開いた。
「……どうやら、あまり良い未来ではなさそうだな。」
「えぇ。まずーー」
私は、自来也さんが暁のペインという6人の集団と闘い亡くなること、その後すぐペインが木の葉を襲撃してくる事を説明した。
「自来也は数日前に木の葉をたった。既に雨隠れに着いている頃だろう。もしかしたら、戦闘もはじまっているかもしれん。」
綱手さんは悔しげにつぶやいた。
「綱手さん。自来也さんの事で、私に考えがあります。」
「………言ってみろ。」
「私の飛飛万象の術で、私を含む何人かの部隊を、自来也さんの元へ飛ばします。そしてその後すぐ再び飛飛万象で木の葉へ連れ戻す、というのはどうでしょう?」
「それは危険すぎる!」
ネジが私に食ってかかる。そしてそのまま綱手さんに向き直る。
「綱手様! そんな作戦は無謀です。もし既に自来也様が戦闘中だったら、いくらスピードの上がった飛飛万象といえど攻撃の的になる。もし鳴海が行動不能になれば、隊の全滅もあり得ます。そもそも、雨隠れまで飛飛万象で飛べるかどうかも怪しい。」
「確かに。鳴海の時渡りで見たペインの能力。視界が共有されている事や一体につき一つの能力を持っている事など、分かったこともあるが、輪廻眼などの未知の要素が多すぎる。」
「では……ーー。」
綱手さんの言葉にネジがホッとした雰囲気を出す。
しかし綱手さんは言葉を続ける。
「だが!! 今もそんな危険な敵と自来也が戦っていると言うのなら、何もしない訳にはいかん! 今から普通に増援を向かわせていても手遅れだ。だから鳴海。お前の力を貸してくれ。」
「綱手様!」
ネジが彼女を咎めるように言う。
「ネジ! これは決定事項だ! ガイ班を鳴海の護衛として付け、この5人を増援部隊とする!! シズネ! 今すぐ招集をかけろ! 集まり次第、屋上から飛飛万象を行ってもらう!」
「はい!」
シズネさんが慌てて火影室から出て行った。
「ネジ。お前の心配も最もだ。だがな、お前は鳴海の護衛係だ。そんなに心配なら、お前がしっかり守ってみせろ。」
綱手さんがネジを諭す。
「………。もちろん、そのつもりです。」
彼は釈然としない顔のまま、頷いた。
綱手さんは私に向き直る。
「鳴海。お前が一度に飛ばせる人の数は5人までだったな。行きはいい。だが帰りは自来也を連れて6人だ。飛べるか?」
「………やってみせます。この目にかけて。」
私はまっすぐ綱手さんを見据えた。
「お前を信じる。」
そうして火影室に集まったガイ班の面々に、綱手様は任務を言い渡すのだった。