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真の歴史へ・その二

「罠かな?、それとも人をかける必要が無いからかな?」

横島のつぶやきにルシオラ達も考えるが答えはでない


「捕まえれば全部わかるだろ」

数人の人間に対して必要以上に慎重な横島達に、メドーサは少し呆れ気味だった

仮にも神魔界で名を馳せた自分を相手に勝った横島達が、何故人間に神経質なほど慎重な対応をとるのか理解に苦しむ

この辺りの考えには横島達とメドーサに大きな違いがあった

未来と違い人間に負けた経験が無いメドーサは、基本的に人間を舐めている

一応横島は正体を隠し人間と言っているが、その人間離れした強さや小竜姫の存在から普通の人間とは別だと考えていたのだ


「そうね。 行きましょうか」

現状ではこれ以上情報が集まらないと考えたルシオラの言葉で、横島達は行動を開始した

美衣を守るように横島とタマモが先頭を歩き、ルシオラと小竜姫とメドーサが側面と後方を歩く

一番戦えない美衣だが、元々自分が住む森なだけあって足手まといにはならなかった

風と木々の音しかしない静かな森を、横島達は音を出さないように慎重に進んでいく
 
そのまま順調に進んで行く横島達だったが、家まで後10メートルくらいのところで突如タマモが止まってしまう

一同の視線が集まる中でタマモは、一本の木に隠されたお札を剥がしていた


(妖怪封じのお札…… やはり生かしたまま捕らえたいのね)

タマモはお札を確認すると、狐火で燃やして再び歩き出す

その後同じように数枚のお札を剥がしたタマモは、慎重に進んでいく


「動くな! そのまま静かに銃を捨てて両手を上げろ」

そしていよいよ横島達は、家の周囲に隠れていた一人の兵士の真後ろに付いていた

相手は気配を殺した横島とタマモの接近には気が付かなかったらしく、後ろを確認することすら出来ないまま銃を捨てる


「貴様ら何者だっ!」

「後ろを向けば撃つぞ」

銃を捨てた相手が横島達を確認する為に後ろを見ようとするが、横島は銃を突き付けて止めさせた

緊迫した空気が辺りを支配する中、捕まえた兵士を縛り上げた横島達は同じ要領で付近に居る連中を捕らえて行く


(後一人か……)

後一人で全員捕まえられると横島が思った瞬間、突然複数の大きな爆発が起こる


ボガーン!!


小竜姫とルシオラが瞬時に美衣を庇うようにしながら爆発元に視線を向けると、なんと爆発元は先程捕まえた連中だった


「クッ……、何が起こった!?」

付近に隠れて敵の攻撃を警戒しつつ、状況判断をしようとする横島達だが一向に攻撃は来ない


「最後の一人が逃げて行くわ!」

必死に状況判断しようとしていたタマモが見た物は、最後の一人が逃げて行く姿である


「逃がさないわよ!」

タマモの声に横島達はすかさず銃を撃つ

何が起きたかわからないが、一人でも捕まえて情報を得たいのだ

距離にして8メートルほどだろうか、横島達が撃った銃弾のどれかが逃げてた兵士の足に命中している

横島達はそのまま兵士の確保に向かうが、足を撃たれた兵士は自ら手榴弾で自爆してしまう


「なっ……、なんと言う事を……」

躊躇無く無表情のままで自爆した兵士に、小竜姫は言葉が出ない

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