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真の歴史へ・その二

「あの… 買い物でしたら私がご案内しましょうか?」

話しがいまいち掴めないおキヌだが、近所の商店街やスーパーは詳しい

案内くらいなら自分が出来ると思っていた


「うーん、でもおキヌちゃん。 老師の買い物ってテレビゲームよ? ヨコシマか雪之丞が帰って来てからの方がいいと思うわ」

ルシオラは少し考えるが、おキヌと老師の二人で買い物に行かせるのは不安であった


「テレビゲームですか?」

予想外の答えに驚くおキヌ

まさか小竜姫より偉い神様が、テレビゲームを買いに行きたいとは思いもしなかったようだ



「ただいま~」

そんな会話をしている間にタマモと雪之丞が帰って来る


「あら、老師じゃない。 何か事件かしら?」

事務所に老師が居る事に驚き、タマモはまさか事件かとその表情に緊張感が現れた


「違うのよ。 ゲームが欲しいみたい」

少し苦笑いしてルシオラが説明するとタマモは納得したのか笑顔に戻る


「ああ、そのことね… ちょうどよかったじゃない。 雪之丞に案内させましょう」

タマモが一緒に帰って来た雪之丞に案内するように振るが、当の本人は意味がわからない


「ところで、その爺さんだれだ?」

おキヌよりは霊感が無い雪之丞は老師がただの老人に見えたようだ


「この方は神族の斉天大聖老師よ。 小竜姫様や私達の師匠なの。 人界には疎いから案内してあげて」

「ほう~ 強いのか?」

ルシオラが紹介すると、興味が出て来たようで雪之丞は老師を探るように見た


「強いってもんじゃないわよ。 普通に戦えば、私達四人掛かりでも勝てないもの…」

強い相手を見付ければ戦いたくなる雪之丞に、タマモは苦笑いを浮かべる

奥の手を抜かせば横島達四人でも老師には勝てないのだ


「うむ… なかなか鍛えているみたいじゃな… 後で特別に修行を付けてやろう」

「本当か? じゃあサッサと買い物行こうぜ!」

雪之丞は修行の言葉に目を輝かせて老師を引っ張っていく


「おキヌちゃんも一緒にお願い。 雪之丞だけだと不安だわ」

あまり常識の無い雪之丞に不安を覚えたルシオラは、結局おキヌにも案内を頼み三人は買い物に出掛けて行った



「雪之丞も性格が霊能者向きじゃないのよね…」

残ったタマモはため息をつく

イマイチ見た目などで相手を判断しがちな上、強い相手と会ったら力試しをしたくなるあの性格は直らないことに頭を悩ませる


「まあ、向上心があるのは長所よ。 それにやっぱり経験が足りないわ。 未来では相当危険な経験をしたらしいじゃないの。 その経験が無い分やっぱりね…」

ルシオラは少し考えて、あの程度は仕方ないと思う

人の性格は様々な経験に影響をされる

横島が早い段階で雪之丞と関わった結果、未来よりも雪之丞は危険や実戦が極端に少ない

その分、未来であった人を寄せつけないような雰囲気は無いが警戒心なども少ないのだ


「それもそうね… 未来に比べればそんなもんよね。 とりあえずお茶にしましょうか」

今難しく考える必要が無いと思ったタマモは、ルシオラとお茶をしながらゆっくりした時間を過ごしていく


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