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GS横島 運命と戦う者

「なるほどね… あの人らしいわね それでヨコシマに会わせないで追い返したのか…」


ルシオラは考え込みながら話した

「はい… 本当は私が判断するべきではないのでしょうが… これ以上横島さんに戦って欲しくなかったのです。 今また横島さんが魔族と戦えば、本当に横島さんは平和に暮らせなくなります。 あの人は優しすぎる… なまじ才能があった為に今まで傷つき戦って来ました。 ですが… 彼がこれ以上傷つき戦う必要は無いと思うのです… 彼1人が苦労しなければ守れない世界ならいっそ……」

小竜姫はそこで言葉を止めた

神族としてそれ以上言葉に出来なかった…


だが小竜姫の気持ちはルシオラに伝わっていた…

「小竜姫さん… あなたやっぱり… ヨコシマが…」

ルシオラは小竜姫の言葉に、いかに小竜姫が横島を想っているかがわかった


「私は横島さんを守りたい。 彼がこれ以上傷つかないように… それだけです。 それが彼の才能を見いだした私の使命です。」


ルシオラはふと笑顔になった

小竜姫が本当に横島を好きなのをわかったから…

自分の気持ちを相手を守ることで表す…

恋愛に疎い武神の彼女らしいが、その想い… 気持ちはルシオラ自身と同じだから…

「小竜姫さん… 恋をしたらためらってはダメよ! 私達は今を精一杯生きないと… ね?」

ルシオラは優しく小竜姫に語りかけた


「恋… 私が…」

小竜姫は自分の気持ちを恋だと言われて戸惑っていた

武神として修行に明け暮れた日々の小竜姫にとって、初恋なのだから…

「あなたの気持ちは神族でも師匠としてでもない。 紛れもなく女の気持ちよ」

ルシオラは戸惑う小竜姫に優しく説明した

生まれて一年もたってない自分が、数百年生きた小竜姫に恋を説明するとは…

ルシオラは内心苦笑いしていた

しかし自分は運が良かった…

生まれてすぐ横島に出会えて…

そして彼女なら一緒に横島を愛して支えて行けるだろう

そう思った

それだけ小竜姫の想いは強く純粋だった…

無論ヤキモキはあるが…

ルシオラにとって、小竜姫も大切な人なのだから…

「そんな… しかし横島さんにはルシオラさんがいる… 私は師匠として彼を守るだけで十分ですよ」

小竜姫はルシオラに微笑んでみせた

しかし寂しさの残る微笑みだった

「あら、私は別に構わないわよ。 中途半端な人ならお断りだけど… 小竜姫さんなら、一緒にやっていけるわ… 横島も多分小竜姫さんを好きよ。」

ルシオラは笑顔のまま小竜姫に話した

小竜姫は戸惑いや困惑が消えない

「なぜです… なぜ私を… いいんですか?」

小竜姫はやっとそれだけの言葉を話した

「私もずっと考えてたわ… でもね… 私とヨコシマだけ幸せではだめなの… 小竜姫さんやパピリオやタマモちゃんやワルキューレさん達… みんなが幸せになれなきゃね」

「ルシオラさん…」

小竜姫はルシオラの話に驚いていた

「やはりあなたは横島さんが好きになった人なんですね… 横島さんの周りには彼に好意を持つ人は何人もいました… でも横島さんが選んだのはあなただった…」

小竜姫はなぜ横島が美神の元を離れて前を向いて頑張ってるか理解した

彼女なのだ…

ルシオラの存在のおかげなのだと…
そのドラマチックな出会いなどもあるんだろうが、本質的な優しさ…

そして強さに横島は惹かれたのだろうと…

「あなたも同じよ? 一歩踏み出してみれば同じ立場になれるわ」

ルシオラは微笑んだまま話した

「ルシオラさん… 私は… 横島さんが好きです! よろしくお願いしますね」

小竜姫は少し涙ぐんでルシオラに抱きついていた

ルシオラは素直になった小竜姫に安堵していた

「後一人ね… 彼女も私達と同じ気持ちのはずよ」

ルシオラは落ち着いた小竜姫にそう話した

「まさか… タマモちゃんですか!?」

小竜姫は驚いていた

パピリオはまだ幼い

ワルキューレよりはタマモの方が横島になついていたから…

「ええ、タマモちゃんもヨコシマを好きなはずよ… でも彼女は恐れてるわ。 今の幸せを失うのを… 今の幸せを失うくらいなら、自分の気持ちを言わないでしょうね… 私にも遠慮してるみたいだし」

ルシオラは苦笑いしていた
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