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GS試験再び!?

「小笠原エミよ。 得意は黒魔術。  噂の現代の魔女とは一度ゆっくり話してみたいわ」

令子への対応が気に入ったのか魔鈴の低姿勢が気に入ったのかわからないが、エミは割と好意的に魔鈴を受け止めていた


「それで、君は本当に横島君を引き取るんだね? 横島君の雇用状況の責任の一端は私にもある。 手続きなど手伝うから話を聞かせて欲しい」

一方唐巣は魔鈴と令子の仲介に乗り出している

このまま行けば令子は魔鈴と横島を潰してしまうかもしれないと危惧した唐巣は、自分が間に入って問題を収めるつもりらしい

確かに令子の金と力があれば一人のGSを業界から締め出すなど簡単だが、現代の魔女として世界的に名高い魔鈴にそれをすれば日本のGS協会の恥を世界に晒すことになる

それに令子の非常識さには常々頭を悩ませており、いつかこんな問題を起こすと危惧していた事もあるようだ


「よろしくお願いします」

少し疲れたような唐巣に、魔鈴は素直に頭を下げて頼んでいた

魔鈴としては令子は嫌いだが、全面対決をしてる場合ではないのだ

せめてアシュタロス戦までは令子とエミのような冷戦関係で落ち着かせたい思惑がある



「しかし、横島さんも彼女が出来たのに何故隠していたのですか?」

その疑問を横島にぶつけたのは小竜姫であった

令子と魔鈴の対決に半ばかやの外だった小竜姫だが、あの横島が恋人を隠していた事実が不思議で仕方ない


「俺に彼女が出来たって言えば、みんな馬鹿にして吊るし上げにするんですよ。 学校の連中も美神さんもみんな……」

滅多に見せない陰のある複雑そうな横島の言葉に、小竜姫以外の者達は納得してしまう

学校の状況を知らない唐巣やエミでさえも、令子の行動なら予想が出来る

横島に彼女が出来れば、笑い者にして騒ぐだろう事が簡単にわかるのだ



そのままGS試験の再開を待つ横島達だが、今日の残りの試合は全て延期になる事が告げられそれぞれが帰っていく

勘九朗がメドーサと手を組みGS試験で暴れた件は予想以上に大きな問題となっており、GS協会は試験の中断と受験者の調査などに乗り出す事になる

結局横島達の試験の続きや資格の有無も含めて、全て保留される事になった


「何はともあれ、一段落かな」

唐巣は今回の件の後始末に残りおキヌは令子を追って帰った為に、横島は魔鈴・カオス・マリア・雪之丞と帰路に着いている


「雪之丞、お前金あるのか? 無いなら家に来いよ。 GS協会が落ち着くまでお前の行き先決まらんだろうしな」

「金はない。 メドーサは試験に合格したら金を渡すって言ってたしな」

その場の勢いでメドーサを裏切った雪之丞は、やはり金も行く宛も何もなかった

なんとなく横島に着いて試験会場を出た為に、結局そのまま世話になる事になる


「これからが大変ですね……」

雪之丞が居る為に詳しい話は出来ない魔鈴だが、GS試験が終わりこれから先のアシュタロス関連の事件を考えると頭が痛くなる気がした


「あんたも強いな。 GSなんだろ?」

「ええ、GSですが対人戦闘はあまり得意ではありませんよ。 忠夫さんと事務所を開くので、よかったら一緒にどうですか?」

先程から魔鈴の様子を伺っていた雪之丞は感覚的に魔鈴の強さを感じ取っており、あわよくば戦ってみたいと考えてるようだ

しかしそんな魔鈴からの突然の誘いに雪之丞は、一瞬驚き返事を保留にしてしまう

行く宛などないのだが、かと言って見ず知らずの魔鈴に突然厄介になるのも戸惑ってしまったらしい



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