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二年目の春・7

「本当に麻帆良の人ってお祭り好きよね。」

さて六月の麻帆良は麻帆良祭の正式な準備期間となるため各地に仮設の建物を立て始めているし、イベントの宣伝なんかも盛んにしていて賑やかとなっている。

何時ものように登校する少女達だが毎年のことで慣れたとはいえ朝から元気な学生達に明日菜なんかは少し呆れながら笑っていた。


「私は他人事ではないので何とも言えないですね。」

ただ少女達の中でも夕映とのどかなんかは他人事ではなく麻帆良カレーに納涼祭の宣伝も麻帆良祭にて行う予定で忙しく、全く笑えないようである。

特に夕映は図書館探検部を筆頭に児童文学研究会と哲学研究会に所属しているが、店のバイトもありこちらはほぼ手が回らなくすっかり幽霊部員となっていた。

図書館探検部に関しては魔法の秘密を知って以降は明らかに回数が減っているというか、元々図書館の秘密を知りたいと参加したので魔法という秘密を知ってしまった以上純粋な調査しかすることがなく忙しさもあり回数が減っている。


「いいんちょとか先生達も忙しそうだしね。」

それと麻帆良祭が近くなり忙しくなっていたのはあやかに刀子と高畑の三名だろう。

特に納涼祭にて実権があるあやかは商店街との下交渉が始まるとそちらにも顔を出しているし、刀子と高畑は広域指導員として麻帆良祭の準備をする学生達を見て回らなければならずに忙しい。


「私達も今日の夜にはメニューの試食会ですからね。」

「横島さん海鮮ひつまぶし作るって言うてたわ。」

なお今年のメニューに関しては横島達と超一味が何かと試作していたが、この日の夜に店でクラスメートを集めて試食会をする予定になっている。

少女達と超一味は味見をしたり考えてるのでクラスの半数近い少女はすでに味見をしたり意見を言ったりはしているが、やはり関わりが薄い少女はまだ試食をしてないので一度みんなで試食会をすることになったのだ。

横島に関してはオリジナルの肉味噌が今一つしっくりくる物が出来上がらなかったので、見た目も綺麗で海や竜宮城をテーマにしたレストランに相応しい海鮮ひつまぶしを新たにメニュー候補として作るらしい。

超一味も他にも試作メニューを持参するらしいし候補は多いが最終的にはクラスで話し合って決める必要がある。

まあ今日の試食一回で決まるとは誰も思ってないが。


「そう言えばさ、あの告白のやつ大丈夫なの?」

「それに関しては大丈夫のようですよ。 対策を考えたみたいですから。」

街の様子がすっかり麻帆良祭の準備へと移ったこの時期だが学校に到着した少女達は、ふと壁に貼られているこの日発行の麻帆良スポーツの記事が目に入った。

毎年似たような記事があるがこの日は例の告白成就の伝説を取り扱った記事があり、多くの人だかりが出来ている。

横島は大丈夫だと言ったが告白を強制的に叶えるという事実に少女達の表情はあまり芳しくないが、すでに近右衛門がエヴァと横島が作った効果を薄める魔法の存在を魔法協会内に明かしていて麻帆良祭前には穂乃香が来て対策をすると通知していた。

おかげで告白対策に人員を使わなくて済むので魔法協会員達はホッとしていたが、少女達は本当に大丈夫なのかまだ半信半疑のようだった。


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