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二年目の春・6

「あら、和泉さん。 これから部活?」

「うん。 男子中等部のサッカー部のグラウンドに行くとこや。」

一方女子中等部では放課後となり少女達が部活やら帰宅にと動き出す中、男子サッカー部のマネージャーをしている亜子は男子サッカー部が練習するグラウンドに行く途中で横島の店へと帰る途中の千鶴と出会す。


「どう? いろいろあったけど負担に感じてない?」

「負担には感じてへんかな。 まき絵がうっかりしゃべらへんか時々心配にはなるけど。」

同じクラスとはいえ正直それほど関わりがなかった千鶴と亜子であるが、千鶴はまき絵に巻き込まれる形で魔法や横島の秘密を明かして身内にと引き込んだ亜子を気にかけていた。

これは千鶴のみならずあやかに夕映達もそうだが、まき絵と亜子のストレスや負担にならぬようにと様子を見ながらよく声をかけている。

特に二人はクラスで親しい裕奈とあきらに秘密にしていて、それが負担や友情が拗れぬかと周りが心配していたのだ。


「そう。 なら良かった。 何かあれば相談してね。 大抵のことならなんとか出来るから。」

「負担とか感じてへんけど、ちょっと不思議やわ。 明日世界がひっくり返ってるって言われても驚かへんくらいには。」

「うふふ。 それは私達も一緒よ。」

明確に横島に対する好意があるまき絵は性格もあり問題ないと見えるが亜子は繊細な性格でもあるので、何かあるならば早めに相談してもらえる関係にしたいと千鶴やあやか達は考えている。

一方の亜子の方は木乃香達に美砂達やあやか達など横島と親しい者達が変化していくのを比較的間近で見ていただけに、それを内側から見る機会が出来たことでいろいろ納得しつつも不思議なことも更に増えたらしい。

クラスメートであったエヴァが魔王と言われ恐れられてると言われてることに関してもピンと来なく、タマモや木乃香達と話す様子から少し口が悪いけど実は優しいお姉さんにしか見えない。

それにさよが幽霊だったりタマモが妖怪だったり横島が異世界から来た人だったりと、いろいろ聞いたがほとんどピンと来ないことばかりだった。


「宇宙人とかもおるんやろか?」

「それは聞いたことないわね。 でも居るんじゃないかしら。 ハニワさんも居るんだし。 それにマスター自身は宇宙に行ったことあるって言ってたしハニワランドでは月に都市があるみたいよ。」

正直自分は騙されて洗脳でもされてるのではと思った方がまだ現実的だなと亜子は思うも、目の前にある現実を直視すれば信じざるを得ない。

魔王に妖怪に幽霊に異世界人にといろいろ居たし宇宙人も居るのかなと何気なく溢してしまうと、宇宙人と言っていいのか微妙だが横島やハニワ兵達は普通に宇宙に行きすでに都市まであると聞き本当に何でもありなんだなと感心するしか彼女には出来なかった。


背中の傷跡もいつか綺麗に消せるかもしれない。

そんな叶わぬと思っていた願いが叶うかもしれないと思うと亜子はきっかけを作ってくれたまき絵に感謝すべきかと密かに思い笑いが出てしまう。

そのまま千鶴と別れ部活に向かうが、新たな希望は亜子の光となり彼女の前向きな笑顔が以前にも増して見られることになる。




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