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平和な日常~秋~2

それから数日が過ぎてハロウィンウイークが終わると暦は十一月に入っていた。

最終的に今年のハロウィンウイークは子供達からのお返しで大人達が盛り上がって終わっている。

ハロウィンウイークは麻帆良の小売店が中心のイベントであり、個々の店の負担は決して軽くはない。

昨年までは貰うばかりだった子供達からの心ばかりのお返しは、今まで頑張って来た大人達に何よりの結果となって喜ばれた。

一方横島の店に関してだが、今回は今までのイベントとは違い横島が過剰に目立つことは最後までないまま終わっている。

ただ横島の店に初めて訪れた子供達は多かったし、子供達とその保護者を考えれば新たな客層の開拓の一因にはなるだろう。

ちなみに今回のイベントで一番横島が喜んだのは、タマモが何人かの見た目が同年代の女の子と仲良くなったことだった。

タマモの見た目は三~四才程度なので相手も母親に連れられた子供達だったが、将来的にいい友達になってくれればと横島は密かに期待している。



「やっぱ中の方が暖かいな」

そして十一月に入った最初の土曜の夜になると、横島達は図書館島の地下に潜っていた。

例によって図書館探検部の活動なのだが、この日はタマモも同行している。

探検部の活動は麻帆良祭以降も地道に続けていたが、夏休み以降は月に二回程度に落ち着いていた。

二学期になってからは実はさよも誘ってはみたが、基本的に怖い場所が苦手らしく断っている。

どうやら夜の図書館と言うだけで怖いらしい。


「図書館島の地下の室温は一年中ほとんど変わらないらしいです。 今は地上の図書館も冷暖房が完備されてるのでないてすが、昔は暑い夏場などは地下で読書をしていたらしいですし」

「へ~、確かに夏場は快適だったもんな」

地下の異常な景色にもすっかり慣れたこの頃だが、この日地下部分に入ると外より暖かくコートを着てると少し暑いくらいだった。

夏場の暑い時期も地下は涼しくて快適だったが、一年を通して室温が一定なのだと夕映は説明していく。



「それにしてもここも蔵書の目録くらい作っとけよな」

「第二次大戦前まではあったらしいですよ。 ただ戦争のどさくさで行方不明らしいですが」

そのままいろいろな噂や伝説が残る図書館島の話を聞きながら、横島達は本棚の上や隙間を通り地下に降りて行った。

はっきり言うと正規のルートではないのだが、そもそも地下の正規のルートは魔法関係者しか通れないような細工がされてるようだった。

そして目的の場所に到着すると夕映達は未調査区域の蔵書を地道に調査していくが、横島は相変わらず本棚の上で夕映達のロープを見張って上まで引っ張っりあげる役目である。

基本的に横島は暇なので近くにある本を読んだり、タマモと遊んだりするだけだった。

実は日頃から結構忙しい横島が探検部の日は夜通しで遊んでくれるので、タマモは主にそれを楽しみに探検部に参加していたりもする。

この日も横島はタマモとトランプをしたり、木乃香が教えたあやとりをしたりして遊んでいた。



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