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平和な日常~秋~

その後ようやく一日の仕事を終えた横島は、お風呂に入ってリビングで冷えたビールで一杯なんてオッサンのような時間を過ごしていた。

タマモは夏休みが終わっても絵日記を続けて書いており、さよは学校の宿題をしている。

そしてハニワ兵に至っては最近はタマモのみならずさよや横島の服も作っており、今は秋冬物を製作していた。

私服を着る割合が違うのでやはりタマモの服を一番多く作っているが、横島やさよの私服も結構作っている。

ちなみにタマモにはハニワ兵が作製した服装に合わせたアクセサリーなども結構あり、異空間アジトの備蓄物資や麻帆良の自宅でのインターネット通販などで着々と手に入れて揃えていた。

そんなタマモのファッションだが、一般的にはさよが選んでいることになっていたりする。

横島も昔と違いそれなりにファッション知識なんかはあるが、この世界の現在の流行までは知らないし横島よりもさよの方がまだテレビなどで流行を知っていたのだ。

ただ横島にしてもさよにしても、服を製作までしてるハニワ兵には敵わないが。


「そういやタマモの服どっから買ってるのかって、たまに聞かれるんだよな~。 一応知人が自作してるって言ってるけど」

先程エヴァに見られたショックもすでにないようで、相変わらず楽しげに服を作ってるハニワ兵を見て横島は最近少し考えていたことを語り始める。

実はタマモが注目されるに従ってタマモの服も注目されていたのだ。

若い少女達によく服の購入先を聞かれる横島だったが、またもや知人が自作していると適当にごまかしていた。


「たまに作って欲しいって奴が居るけど、お前どうしたい?」

横島が適当にごまかした件は後で土偶羅がつじつま合わせをするからいいのだが、問題はたまに服の製作を頼めないか聞いてくる少女が居ることである。


「ポー!」

横島としてはハニワ兵の意志に任せようと考えて判断を任せるが、ハニワ兵は迷うことなくやりたいと言い切った。

現在は横島達の服を作っているが、正直それほど数が必要な訳ではない。

元々睡眠など必要がないハニワ兵なだけに割と暇な時間があり、相手が喜んでくれるなら是非作ってみたいようだった。


「そっか、じゃあ注文受けるか。 細かい打ち合わせはメールでいいから楽だよな。 いい時代になったよ」

やる気を見せるハニワ兵の意志により服の注文製作を始めることにした横島だが、日頃ハニワ兵が使っているパソコンのメールで詳しいやり取りをさせることにする。

人間の言葉を話せないハニワ兵でも怪しまれることなく交渉出来るメールは、この件にはピッタリの連絡方法だった。

自身の子供の頃にもこんな便利な物があったらよかったのにと考える横島だったが、それはさておきハニワ兵の洋服屋が密かに始まることになる。


(いっそハニワ兵専用の人型ボディでも作るか?)

ハニワ兵に関してはあのアシュタロスが基本設計をしてドクターカオスと横島が強化したので、人間以上に何でも出来るが容姿が容姿だけに表に出せないのが麻帆良ではマイナスだった。

元々前の世界ではオカルトが秘匿されてなかったのでカオスと横島が強化した際に人型にする意味がなかっただけなのだが、今日エヴァにばれた件といい現状では少し不便なのは確かである。

横島はいっそハニワ兵を核とする、脱着式の人型ボディでも開発しようかと悩み始めた。



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