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平和な日常~春~

「ゆえ~、いいの?」

「知名度の低い横島さんには悪い話ではないかもしれません。 どちらかと言えば超包子の方が得るモノが少なくなるような……」

横島の居ないところでどんどん進む話にのどかは不安そうに夕映に声をかけるが、夕映は超の提案が横島や2-Aのクラスメートには有利な反面すでに有名店である超包子は多少得るモノが少なくなるような気がしていた


「そんな事ないアル。 麻帆良祭での宣伝効果は絶大ネ。 この期間にどれだけ宣伝出来るかでこの後一年の売り上げが変わるヨ。 ワタシもちょうど今年はどうしようか悩んでいたネ」

夕映の疑問にいつの間にか近くに居た超は笑顔で説明するが、彼女の場合は麻帆良祭期間に一番に重視しているのは宣伝効果だった

確かに麻帆良祭期間中は人も多く大きな売り上げを期待出来る期間だが、それ以上に麻帆良祭は宣伝効果が凄まじいのである

麻帆良祭で有名になれば麻帆良の内外から一年を通して客が訪れる事になる為、麻帆良祭の三日の売り上げなど全く問題にない宣伝効果があるのだ

超自身は去年の麻帆良祭で超包子の知名度を上げたが、今年はさらなる飛躍をさせようといろいろ考えていたようである


「それで彼は受けてくれそうカナ?」

「店のご近所への説明は必要でしょうが、横島さんは受けるでしょう。 元々麻帆良祭を楽しみたいからと店の営業を休むか悩んでた人ですからね」

結局クラスメートと超が乗り気になった事から話はとんとん拍子に進み、放課後横島の店に主要メンバーが集まる事で昼休みの話し合いは終わる



「統一店舗? なんだそりゃ」

放課後、木乃香達に超・五月・あやか・千鶴の八人が代表して横島の店に集まり昼の話し合いの内容を説明するが、流石の横島もぽかーんとしていた


「店舗に関しては雪広グループが臨時レストランを出店予定の場所を確保してますので、そちらをご用意出来ます」

あれからも統一店舗の話は進み、店舗に関しては雪広グループが確保してる臨時レストラン用地を使用出来る事になったらしい


「ただいくつか条件もありまして、食材や飲み物などは全て雪広グループの品を使って頂きたいのです。 元々グループの広報活動の為の用地ですから」

あやかが用意した場所は元々雪広グループの系列の食材などの宣伝活動が目的のレストランだったらしく、食材をそちらから使って欲しいとの事である

食材指定はあるが、その分土地代や食材の購入費はかなり安く抑える事が出来るらしい

結果、雪広グループと超包子とマホラカフェの合同レストランになるようだ


「オッケー、いいよ」

多少申し訳なさそうなあやかや木乃香達だが、横島の返事は悩む事なくアッサリした物だった

やっぱりかと言いたげに苦笑いを浮かべる木乃香達四人の表情が印象的だが、別に横島としては面白そうならそれでいいようである


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