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新しき絆

それから横島と雪之丞は、魔鈴と一緒に除霊をしていった

回数は月に2~3回だが横島と雪之丞には十分だった

横島と雪之丞と魔鈴の3人の除霊は、道具を全くと言っていいほど使わなかった…

魔鈴の魔法と横島の文珠で出来ないことはほとんど無く

難易度も低めの数百万の依頼な為、楽勝だった

魔鈴は横島と雪之丞に依頼料を全て渡そうとしたが、横島が説得して三等分することになった


なぜ魔鈴が一緒かと言えば、GS協会に出す報告書があるため、魔鈴も同行したのだ


結果、横島と雪之丞には月に百万以上は収入が入った


今まで食べる物にも困った二人には大金だった

雪之丞は弓かおりとのデートなど、お金がかかることがあり、あまり残らなかったが、それでも食べる物に困ることはなくなった


今まで散々命を危険にさらしても、時給255円だった横島にとっては

あまりに簡単に大金が手に入って、複雑な気分だった…


金銭欲がほとんど無い横島だが…

令子がいかに非道な扱いをしていたかを改めて理解した


そして高校を卒業するまでに、シロとタマモの問題にケリをつけなければ…

そう当面の目標を考えていた



一方、横島と仕事を始めた魔鈴は…


横島と雪之丞の実力に驚いていた


通常の除霊でも二人の実力は凄まじく、GSとしてもトップクラスだろうと思った


魔鈴はあの日の横島を思い出し…

あの日の実力が本物だったと改めて思った


あの日の実力が本物なら…


あの日の表情は…


魔鈴はやはりあの日の横島が忘れられなかった


実力は見せても、横島はあくまで明るい横島のまま見せていたのだ…



それから2ヶ月が過ぎていた…

魔鈴は仕事の日は必ず横島と雪之丞に、食事をご馳走している

そして仕事が無い日でも、横島に夕食を差し入れしたりして、積極的に横島に関わっていた


横島は魔鈴と必要以上に関わらないようにするのだが、優しい性格の為、魔鈴から来るのを拒絶も出来ずに…

自然に会う回数が増えていた


横島は相変わらず、魔鈴の前では明るく馬鹿な横島だったが…

前に比べればわずかだが、自然な感じが出てきていた

横島自身は気がついていないが、雪之丞と魔鈴の存在で横島の精神は安定し始めていた


心の奥の横島と

道化の横島

それは相反するモノだった

その相反する性格を使い分けている横島は

自分自身でも気がつかないうちに、ストレスと違和感を心に貯めていた…


だが、何も言わずに力になってくれる雪之丞と…

何も聞かずに横島を癒やしてくれる魔鈴のおかげで

横島は壊れることなく、道化を続けていた…



そんなある日

横島は美神事務所の除霊に行くことになった

横島は一人でいいと言ったのだが、横島に信用は無く…

タマモがお目付役として同行することになった


「あ~あ… ついてないわ~ 横島と二人で行くなんて…」

タマモはかなり嫌そうに言った

「そんなこと言うなよ~ 俺だって傷つくぞ?」

横島は寂しそうにタマモに反論した

「横島が傷つくなんて有り得ないわ! いつも美神にあれだけこき使われても、平気な顔しているんだから」

タマモは呆れた視線を横島に向ける


「アハハ… 俺は馬鹿だからな~」

横島は笑ってそう話した


そうして、横島とタマモは除霊を始めた…

悪霊は依頼書よりも数も多く、強かった

横島はタマモの前では実力を見せる訳にはいかない

そして実力を隠して戦える相手出はなかった


「タマモ! ここは危険だ。 外で待ってろ!!」

横島はとっさにタマモに叫んだ

「危険って、あんた一人で大丈夫なの!?」

タマモは真剣な横島に少し驚き聞いた

「最悪文珠を使う! 巻き込まれるとダメだから外で待ってろ!」

横島の普段見ない真剣な言葉に、タマモは従った

タマモは足手まといみたいに言われて面白く無かったが

実際悪霊の強さと数は普通では無かった…


タマモが外に出たのを確認すると横島は顔つきが変わった

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