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GS試験再び……

それから数日後、いよいよGS試験が間近に迫った雪之丞とタイガーは、気合いが入った修行をしていた


「タイガー! テレパスに頼り過ぎるな! 人によっては見破られるぞ」

タイガーの試験対策として、精神感応の使い方と戦いのバランスを主に教えていた雪之丞は気合いの入った声を上げる


「はいっ!」

まるで嫌な事を忘れようとするように修行に没頭するタイガーは、最初に雪之丞が教えた時に比べると一見やる気があるように見えていた


「まあまあね。 問題はやっぱり精神面かしら…」

タイガーの様子を見ていたタマモは予想よりも形になった事に驚きを感じつつ、精神面の不安定さがあまり変化してない現状を見抜いている


「確かに、精神面はあまり変化がありませんでしたね」

一緒に見ていた魔鈴は少しため息をはいて考え込む

当初エミに頼まれた精神面の成長が無い現実に頭を悩ませていたのだ


「私が対戦相手なら、精神的揺さぶりをかけるわ。 それに格闘能力が低いから、テレパスを破られたら終わりね」

GS試験は知らないタマモだが、仮に自分が対戦すると考えれば十分付け入る隙があると感じる

タイガーのテレパスだと、相手の視覚に幻を見せるしか出来ない

タマモの幻術のように精神を操る訳では無いので、冷静に対象すれば相手にも十分勝ち目はあると予想していた


「やっぱり魔理さんに連絡して話させた方良くないか?」

「それはダメよ。 私達その魔理って人の考えや気持ちわからないもの。 中途半端に口出ししない方いいわ」

一方横島は、少し前からタイガーと魔理をしっかり話し合いさせたいと考えていたのだ

しかし恋愛に対して他人が口を挟むべきでは無いと言う理由や、タイガー自身が乗り越えなくてはならない壁だと言う考えから、タマモや魔鈴が反対して実現してなかった


「やはり私もそう思いますよ。 厳しいようですが除霊と私生活の切替が出来ないならば、GSにならない方がいいかもしれません」

魔鈴は少し悩む表情を浮かべながらも、はっきりと言い切る

最低限として霊能力を使う時くらいは切替ないと、いずれタイガー自身が痛い目を見るのだ

強い悪霊や妖怪や魔族には、精神的弱みに付け込む輩も少なくない

今のタイガーではそんな弱みに付け込まれたら、すぐにやられてしまうだろう

魔鈴としてはタイガーはまだ若いのだし結論を出すのは早いと思うが、現状よりは精神的に成長しなければ一人前のGSにはなれないと思っていた


「上手くいけば調子に乗る奴なんだけどな~」

横島はなんとかタイガーが浮上するきっかけを与えたいと思うが、いい方法が浮かばない


「タイガー殿が自分で乗り越えるしかないでござるよ」

そして静かにみんなの話を聞いていたシロもまた、タイガーが自分で乗り越えるしかないと告げる


「それはわかってるけどさ。 なんかきっかけが無いとタイガーの場合進まないだろう?」

奥手で消極的なタイガーでは乗り越えるきっかけすら掴めないと横島は心配するが、やはり簡単に解決する方法などあるはずも無い


その後も横島達四人はタイガーの修行を眺めつつ、精神面の問題を相談していく

しかし第三者である横島達に出来る事などたかがしれている


結局、今はGS試験対策をしながら様子を見る以外に方法がなかった


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