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GS試験再び……

さて四月に入った魔鈴達だが、忙しかった除霊の依頼がようやく落ち着いている

そしてレストランの方も相変わらず順調で、横島・タマモ・シロの三人もそれぞれ仕事に慣れて来ている頃


「横島さん、よそ見してはダメですよ」

この日、雪之丞とタイガーが魔鈴宅の外で修行している最中、横島は魔鈴に勉強を教わっていた


「すいません。 頭使うの苦手なもんで…」

苦笑いを浮かべて謝る横島を、魔鈴は少し困ったように見る

本当は霊能の勉強を教えようとした魔鈴だったが、横島はそれ以前の問題だったのだ

一番の問題が、英語すら全く読めない事である

魔鈴が持つ魔法や霊能関係の本や資料は、全て英語やフランス語やラテン語などの外国語であった

最低限、英語くらいは読めないと話にならない


「いや~、やっと高校を卒業したのにまた勉強するとは思わなかったっすよ」

「ですが霊能の勉強をするにも、本が読めなければ話にならないですよ」

高校を卒業して社会人になったばかりなのに、また高校生のような勉強をするハメになった現実に横島は笑うしかなかった


しかし、これは元々横島が望んだ勉強なのだ

GSは二度とやる気は無い横島だが、魔鈴の助手として除霊には参加する

それにタマモやシロと言った人外と暮らす以上、最低限の霊能の知識は必要だと考えていた

最終的にはルシオラ復活の問題もあるため、今まで出来なかった霊能の知識を深めようと考えて魔鈴に頼んだのがきっかけだった


「まさか英語の勉強をするとは思わなくて…」

「まあ、私が全部を話して聞かせてもいいのですが、最低限英語くらいは読めないとダメだと思うんですよ」

横島としては霊能の勉強などした事が無いし、まさか外国語の本を読まないとダメだとは思いもしなかったらしい

一方魔鈴の方は普段は甘いようにみえるが、こういう時は厳しかった

本当に何も知らない横島には基礎からしっかり教えるつもりらしく、霊能の前に英語やら一般常識から教えている


「まあ、普通のGSを目指すならここまで難しい本は読む必要が無いのですが… 横島さんが私の技術を学ぶなら必要なんですよ」

予想外の英語に勉強のはかどらない横島に、魔鈴は霊能の本を片手に語学の必要性を語っていく


魔鈴も語っているが、普通にGSをやるくらいならあまり外国語は必要無い

基本的に普通のGSに必要な事は日本語の専門書もあるのだし、現代のGSは魔鈴の使う魔法とは全く別物なのだから…

それに霊能の技術やなんかも現代は便利な霊能アイテムがある為、覚えなくてもGSとして活動出来るのだ


「うむ…、こっちも毎日頑張るしか無いっすね」

自分が無知で何も知らなかった事など嫌と言うほど理解していた横島だが、実際に勉強を始めるとその苦労はまた違ったものだった

高校時代もう少し真面目に勉強をしてればよかったと、軽く後悔している


(頭は霊能ほど天才では無いですね。 まあ、あのお義母さまの子供ですし、やれば出来ると思うのですが……)

そんな真剣に勉強を始めた横島を、魔鈴は静かに見守っていた

霊能に関しては天才と言えるだけの可能性を見出だしていた魔鈴だったが、勉強はそれに比べると普通である


そんな魔鈴と横島の勉強会は、霊能の修行と同じように毎日続けていくことになった


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