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新しき絆

横島が魔鈴の部屋で休んでる頃


魔鈴とタマモとシロは店の厨房でバレンタインチョコを作っていた

魔鈴はタマモとシロに昨日の横島を話して説明している


「なるほどね… そこまで危ない状態だったなんて。 横島も最近安定してたから油断してたわね」

タマモは考えこむように話している


「先生は大丈夫でござろうか」

シロは心配そうだ


「今は大丈夫よ。 でも…、このままじゃあまた同じ発作が起きるわよ」

タマモは確信を持って話している


「タマモ! どうすればいいでござるか!?」

シロは慌ててタマモに問いただす


「残念だけど、私とあんたじゃ無理よ。 魔鈴さんなら可能だけど…」

魔鈴はタマモの話に少し驚いている


「私ですか? 私は精一杯やってるつもりですが…」

魔鈴はこれ以上どうすればいいか思い浮かばない


「そろそろ形にしてもいいんじゃない? 横島と付き合えば?」

タマモは少し微笑んで魔鈴を見る


「付き合うだなんて…… 横島さんにはあの人が居ますし…」

魔鈴は顔を赤らめたが否定する

自分はそこを求めないのを前から決めていたのだから


「別にいいじゃない。 恋人が2人でも… そもそも人間だって昔は一夫多妻なのが普通だったわよ。 それに…、あの人だってわかってくれるわ」

タマモは当然のように話している

本人達が幸せならそれでいいとタマモは思う


前世では長い年月を生きてきたタマモ

記憶はまだ完全ではないが、価値観などは覚えている

人間の価値観など簡単に変わる

今の常識に必要以上に捕らわれる必要は無いと思っているのだ


それに…

自分の命より横島を優先させたルシオラ

彼女が横島を支えて来た魔鈴を、認めないはずはないと確信している


「でも、横島さんの気持ちを思うと…」

魔鈴はイマイチ踏ん切りがつかない


「横島は魔鈴さんが好きよ。 見てればわかるじゃない。 それに確かな絆を持たないと、横島はまた壊れるわよ?」

タマモには横島の気持ちなとお見通しだった

一番近い第三者な分、当人同士よりよく知っている


「絆ですか…」

魔鈴は真剣に考え込む


「昨日の件も、横島と魔鈴さんの関係が不安定だから起きたのよ。 横島の精神はとっくに限界を超えてるの。 それが今安定してるのは魔鈴さんが居るからよ。 正直魔鈴さんが居なければ、横島はとっくの昔に狂ってるわ」

タマモの話は魔鈴も納得している

基本的に同じ考えなのだ


「魔鈴殿は先生が嫌いなんでござるか?」

考え込む魔鈴に話しかけたのはシロ

話は半分しか理解出来てないが、横島が魔鈴を好きなのは理解していた


「私は…、横島さんが好きよ」

魔鈴はシロの言葉に微笑んで答える


「ならいいではござらんか! 先生と魔鈴殿はお似合いでござる!」

シロはシンプルだった


魔鈴はタマモとシロの言葉に決意する

「そうね…。 私の気持ちを伝えるのは必要よね。 そうすれば横島さんは安心するだろうし…」

魔鈴は決意したように微笑む


そしてタマモとシロは魔鈴の決意を嬉しそうに笑う

不器用な横島と遠慮がちな魔鈴

この2人は誰かが後押ししないと、永遠に進まないと思っていたのだから


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