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真の歴史へ

一方
美智恵達が帰った事務所では
さっきまで姿を現さなかった小竜姫やルシオラやタマモ、それに修行をしていた雪之丞とピートが集まっていた


ルシオラ、タマモ、小竜姫はすぐに夕ご飯の準備のため台所に行った

応接室には横島、ピート、雪之丞がいた


「オカルトGメンがわざわざ挨拶に来るとは、さすがは横島さんですね」

ピートは感心したように話した

「ピート、Gメンは日本には必要な組織だが… あまり信用しすぎない方がいい」

横島は真剣な表情でピートに話した

「どういう意味だ? 横島」


意味がわからないといった表情のピートと雪之丞だった


「彼らは組織の人間だ。 一見弱者の味方のように話しているが、弱者の味方では無い。 秩序と社会を守るだけだ 本当に弱者の味方と言うのは唐巣神父のような存在だ。」


横島の話にピートは複雑そうな表情をして

雪之丞はなるほど、といった表情をしていた


「確かに先生こそ、弱者の味方ですよね…」

ピートが呟く

「お前はバンパイアハーフだからよくわかるだろ? 権力者の力に左右される公務員の意味が… お前は将来Gメンに入りたいと言ってたがよく考えることだ…」


横島の言いたいことをピートは理解した

ピート自身
吸血鬼だと言うことで迫害に会ってきたのだから…


「横島、Gメンって警察みたいなもんなんだろ? そんなに警戒する必要あるのか?」


雪之丞は不思議そうに言った


「雪之丞、警察が扱うのは憲法で人権を保証された人間だ。 犯罪者にも人権はあるし、不当な扱いは受けない。 だがGメンが扱うのは何の権利も無い命だ。 妖怪や魔族も人間と同じく心がある… だが彼らは人間に殺されても何も言えない。 権力者が退治しろと命令したら害の無い命も退治する。 極端に言えばそんな組織なんだ…」


横島は悲しそうに話した

それは横島の愛する人達も人間ではないのだから…


雪之丞はそこまで言われて、やっと横島の話す意味を理解した

雪之丞もピートもルシオラ達が人間で無いのは知っているし、3人が横島の恋人なのを知っていたから…


二人は最初こそ
人間、神族、魔族、妖怪の4人で恋仲なのに驚き信じられなかったが

横島達を見ているとすぐに馴れた

それは当たり前に仲良く生活する

普通の関係なのだから…


ピートはその姿に、自分の目指す理想の世界を見いだした

妖怪などの人外と人間が共に生きる世界

それをすでに実現しているのだから…


「俺が言うのもおかしいが、二人はまだ若い。 自分の目指す未来をよく考えるといい…」


「ありがとうございます。 横島さん…」

ピートは横島に頭を下げた

横島の話が自分の為に話したのを理解しているのだから…


「ピートは身近に神父がいるからな… 神父からよく学べばいいよ。」

横島は笑顔でピートに話した

「俺は強くなりたい! 誓ったんだ! 赤ん坊の俺を置いて年もとれずに死んじまったママによー!!」


雪之丞は拳を握りしめて言った

「雪之丞… 強さとはいろんな強さがある… 自分の大切な人を守るには力もいるが、気持ちの強さも必要だ。 まあ、お前は大丈夫だろうがな…」


横島が苦笑いしていると……


「ご飯出来たわよ」

ルシオラが横島達にご飯をつげに来て話が終わった


ピートも雪之丞も、横島の事務所に来る日はご飯を食べてから帰っていた


それは黙っていればロクな物を食べないからである


雪之丞にはGS見習いとして十分な給料を払っていたが、雪之丞は黙っていればカップ麺かコンビニ弁当だけだった

ピートに至っては、神父もピートも生活能力が無い為、食べる物に困る始末である…


過去のように神父が空腹で倒れないように、小竜姫達がピートに神父用のご飯を大量に持たせていたのである


神父もピートも遠慮するのだが、お互い困ったら協力しようと横島が話して納得してもらった

それにより、神父の最低限の栄養は保たれた


横島がここまで気を使ったのは、空腹の辛さをだれより知るからである


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