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真の歴史へ

横島達はアシュタロスを憎んではいなかった

むしろ好意的だったかもしれない

横島はかつてアシュタロスを文珠で模した時、アシュタロスの苦しみを知った


そして
アシュタロスが死んでから起こった

ハルマゲドン

それにより、いかに神魔族が自分勝手な正義や欲望で戦っていたかを良く知った

それを生き抜いた
ルシオラ、小竜姫、タマモもアシュタロスに対して好意的だった


神魔には人間を見下して、人間の犠牲を気にしないで好き勝手戦う
そんな連中が少なくなかった


特にハルマゲドンの火付け役となった過激派はそうだった


横島達はそんな連中よりアシュタロスを救いたい

そう考えていた…


「横島さん焦ってはいけません。 一つ一つ積み重ねて行かなければ何も救えません。」


難しい顔をした横島に小竜姫は優しく微笑んで諭した


横島にとって小竜姫は師匠であり、恋人であるのだ


「そうだな… とりあえず今のことを考えよう!」

横島は微笑んだ
小竜姫の言葉に救われた気がした


「で、Gメンのパーティーはどうするの?」

タマモが最初の話に戻した


「行かないよ。 必要以上にGメンに近づくつもりは無いしな…」

横島はすっきりしたような表情で話した

「そうね… 仲間は必要だけど、Gメンは必要じゃないわね」

ルシオラがそう話して4人の考えが決まった



後日
Gメンのパーティーが開かれた

パーティーには各界のお偉いさんが出席したが、GSは少なく、出席したGSも大半が様子見で行ったようだ



そして数日後

横島の事務所に美智恵と西条が訪れた


「このたび、ICPO超常犯罪課 日本支部を設立しました。 私は責任者の美神美智恵です。」

「僕は西条輝彦です。」


「わざわざ、私のような新人の事務所にまで挨拶に来られるとは… 私が横島忠夫です。」


美智恵も横島も初対面を装うことにしたようだ


美智恵も西条も儀礼的に挨拶した

横島は年下と言うこともあり、営業と同じく低姿勢だった


「Gメンと言ってもまだ人数も装備も足りません。 場合によっては協力をお願いすることになりますから。 今日はそのご挨拶に来ました。」


さすがは美神美智恵と言うべきか…

横島に対してもにこやかに話した


「協力ですか… 依頼というなら内容次第でお受けしますよ。 指揮下に入るのはお断りしますが」

横島も笑顔で話していた

「そう… わかりました。 何かあればお願いします」

美智恵は一瞬苦しそうな表情になったがすぐに戻った

「横島君はすごいらしいね。 最年少でGS試験を主席で合格な上、自分の事務所を構えてるんだから」

西条は探るように話した


「いえ、たまたまですよ。」


横島は言葉少なくかわした


「では、私達は失礼します。」


美智恵と西条は挨拶をして帰って行った



事務所を出た西条は美智恵に話をしていた

「先生、彼が噂のGSですか… 正直、普通の若者にしか見えませんが…」

西条には横島が特にすごいGSには見えなかった

横島の霊力を隠している事実に西条は気がつかなかった


美智恵はそんな西条に苦笑いしつつ…

「西条君、彼だけは何があっても敵に回してはだめよ。 彼は神族の小竜姫様の弟子で実力は私達より上よ。 今日は居なかったけど、彼の事務所には小竜姫様がいつもいるわ。 この業界で神族の後ろ盾があるのがどれだけすごいか、わかるでしょ?」


美智恵は険しい表情で西条に話した


西条はその話が信じられなかった

小竜姫と言えば人間界に駐留する神族としては最高クラスで、妙神山の管理人としてGS業界では有名だった…

そして日本のオカルト業界では強い影響力があった


「なぜ小竜姫様がGS事務所に居るんですか? 妙神山の管理人では?」

西条はふとした疑問を美智恵に問いかけた


「わからないわ。 ただ彼女ほどの神なら、神界の任務の一種の可能性が高いわ。」


美智恵は未来の事

自分が時間移動で動いた事

横島達が未来かは逆行してきた事

全て秘密にした


秘密が知られて困るのは横島ではなく

美智恵自身なのだから…


そして西条が余計な事をして横島の怒りを買わないように釘をさした。

西条が真実を知っても横島の怒りを買っても、美智恵が困るのだから…

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