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真の歴史へ

小竜姫は一応神族な為、魔装術の契約はまずいので、ルシオラと雪之丞は契約して魔装術を習得した

雪之丞の修行は当面は霊力の基礎と魔装術の制御に比重をおいて進められた



それから数週間したある日

「なあ横島、なんでこんな地味な修行ばっかりなんだ?」

修行が終わった雪之丞は横島にそう話した

雪之丞は横島の事務所に来てからは、座禅など霊力のコントロールと魔装術の修行しかしていなかった

正直雪之丞は、体を動かさない修行は得意ではなかった

「お前は格闘はセンスもあるし強いんだよ。 だが霊や妖怪や魔族を相手に素手で戦うのは無理だろ? かと言って道具を使うタイプでもないしな… お前の力を有効に使うには魔装術が一番なんだ。 その為には今の修行が一番なんだ。 魔装術は霊力と精神力を効率良く使うのが大事だからな… まあ焦るなよ」

横島は苦笑いしながらも雪之丞に説明した

「わかった。いつかお前より強くなってやる!」


雪之丞は闘志をみなぎらせていた



何はともあれ
雪之丞の修行は続いていった


そんなある日
横島の事務所に美神令子とおキヌが来た
「やあ美神さんお久しぶりですね どうしました?」

横島はこの時期に令子が訪ねてくる理由が思い浮かばないので、不思議そうな顔をして話した


令子は疲れたような顔をしているし
おキヌは困ったような顔をしていた

「実はね… 私何かにとりつかれてるみたいなの…」

令子は恥ずかしそうに話した

一流のGSがとりつかれるのは恥な為言いにくそうだった


「とりつかれる? 何があったんです?」

首を傾げて横島は聞いた

「最近首都高荒らしがいるの知ってる? 私それを退治しようとしたのよ。 相手は多分韋駄天だと思うわ そいつを車で追いかけていたのよ。 そしたら奴が私を車からほおり投げたのよ! 私は地面に叩きつけられたけど無傷だった… それから除霊中にたまに記憶が無くなるのよ… おキヌちゃんの話じゃあ変な格好で除霊してるみたいで… ここなら小竜姫様がいるしわかるかと思って…」

令子は恥ずかしさや敵に対する怒りなと表情をコロコロ変えて話した

「美神さんは、ランニングに短パン姿で、美神さんにそっくりな人間が大勢住む美神星からやってきた宇宙人『美神マン』って言ってましたよ?」

おキヌは宇宙人とか、あまり意味がわかっていなかった…

令子は泣きそうな顔になり横島にすがりついた

「お願いだから助けて!! そんな姿で人前に出るなんて恥ずかしくて駄目なのよ! お金なら出すから!!」


令子のあまりの態度に横島は驚いていた

前に横島が韋駄天にとりつかれた時には散々利用した癖に、自分がとりつかれたらこんな態度だからだ

まあ女の人があの姿は嫌だろうな…

そう思った

横島は雪之丞と修行をしている小竜姫を呼んできた

部屋には
横島、小竜姫、ルシオラ、タマモ、雪之丞がみんな集まった

雪之丞以外には令子が韋駄天にとりつかれたのを話した為、面白がって集まった

小竜姫は令子を良く見てすぐに話した

「あなた誰ですか? 見た感じ神族みたいですが…」

令子は驚きの表情をしたがすぐに韋駄天の意識が現れた

「あなたは… まさか元妙神山管理人の小竜姫さまですか? 私は韋駄天の八兵衛です。 実は、悪さをして天界を逃げ出した韋駄天の九兵衛を追っておりました。 その時にこの女性が死にかけていまして…」

「それで彼女の中に入り傷を治してるんですね。」

「はい、治療が完治するまではもうしばらくかかります。」

韋駄天はすまなそうに話す

小竜姫はため息をついた

「とりあえず、妙な格好で戦うのは辞めて下さい 出るならそのままでお願いします。 彼女は『一応』女性ですから…」

小竜姫は
一応と言う言葉を強調したが、誰も違和感無かった
横島達は令子を普通の女性と言うには違和感あるし
雪之丞はどうでも良かった


「はい、わかりました。 すいませんでした」


八兵衛の意識はそう話して消えた

再び現れた令子の意識に小竜姫は
韋駄天の話を教えて、もう変な格好にならないようにお願いしたと話した

「小竜姫さま! ありがとう~」

人にお礼なんて絶対言わない令子が、小竜姫にお礼を言っていた

その時の令子の喜びようは普通ではなかった

それだけあの姿が嫌だったのだろう


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