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GS試験再び!?

「それもそうね。 しかしアンタ本当に優秀ね。 この依頼が終わったら小竜姫に頼んで私も貰おうかしら?」

「報酬の代わりにすれば可能かもしれんが、私は宿主の全てを見る事が出来るぞ。 それでもいいなら頼んでみるといい」

先程からかなり優秀な姿を見せている心眼を興味津々に見つめる令子は自分も欲しいと言うが、心眼の言葉を聞くとピシッと固まってしまう

人に言えない秘密はたくさんあるし、まして堅苦しそうな人格がある心眼に秘密がバレるのは絶対好ましくない


「……考えておくわ。 それより横島クンがヘマをしないようにしっかりね」

しばらく無言で苦悩していた令子だが結果的に諦めたようで、様子がおかしい横島がヘマをしないように心眼に言い付けて試験会場へ戻っていく



同じ頃、雪之丞も勘九朗と陰念と一緒に試験会場の庭で持参した弁当で昼食を食べていた


「どう? 雪之丞、私達の敵になりそうなのは居た?」

「女とバンパイアハーフとバンダナした奴くらいだな」

三人のうち陰念は一人で距離を開けているが、雪之丞と勘九朗はそこそこ仲が悪くないらしく会話をしながら昼食を食べている

やはり雪之丞は未来と同じく、霊力の高さや雰囲気から令子とピートと横島に目を付けたようだ



そんな昼休憩が終わり、二次試験会場はピリピリとした緊張感に包まれていた


(こんな緊張感久しぶりだな。 雪之丞の試験以来か……)

横島がGS試験に来た事があるのは二回だけ

かつての自分の試験とアシュタロス戦後の雪之丞の時だけである

自分の時はあまり感じなかったが、雪之丞の時に感じたピリピリした緊張感はやはり同じであった


(まさか、またGS試験を受けるとはな……)

過去を思い出すとどうしても感慨深くなってしまう横島を、令子は静かに見つめている


(やっぱり変よね。 いつもなら逃げ出そうとでもするのに…… あの心眼一体どんな事したのかしら?)

横島への疑問はそのまま心眼への疑問に変わっていた

あの横島が突然変わるなどとは令子も考えてない

変わった理由があるとすれば心眼しか思い浮かばないのだ

それぞれに想いを抱えたまま、横島の第一試合が始まろうとしていた


「さていよいよ第一試合が始まりますが、解説の厄珍さん注目すべきはどこでしょう?」

「あれは令子ちゃんとこのボウズあるな。 いつの間に霊能力を身につけたあるか?」

試合開始直前、記録用の実況のGS協会職員と解説の厄珍は受験メンバーを見て解説していた

中でも厄珍が注目したのはミカ・レイと横島である

ミカ・レイはそのプロポーションに厄珍が興奮していたが、横島の場合は顔見知りの素人が二次試験に進んだ事を不思議に感じていた


「横島選手ですか? 確かに……、彼は美神除霊事務所の人間ですね! 一次審査もかなり高い霊力を発揮してますよ」

「あのボウズは少し前まで素人だったある。 令子ちゃんは一体どうやってあのボウズを霊能者にしたあるか?」

実況が横島の資料を見て期待するような事を話すが、厄珍は訝しげに首を捻るのみである

横島を知る厄珍としては一次審査を突破した事が信じられないようだ


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