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平和な日常~冬~

「のどかちゃんはどうかな」

次の日は朝から生憎と雨が降っていたが、横島はパーティーでのスイーツ作りのメンバーで悩んでいた。

新堂と共同参加になったが、製造個数を考えると木乃香の側にももう一人か二人は欲しいのが本音である。

ただし現状の横島達で新堂と共同で作るスイーツに参加出来るのは、最低限技術がある木乃香とのどかしかいない。


「意外と器用だし変な癖もないから頼みたいんだけどな」

料理に関しては木乃香が抜きん出てるためあまり目立たないが、のどかも決して料理が苦手な訳ではなかった。

実のところ木乃香達四人の中で一番大人しいというか目立たないのどかだが、活動範囲は一番広かったりする。

店が忙しい時は厨房の手伝いも出来るし、明日菜に勉強を教えたかと思えば夕映と一緒に対外的な会議に参加するなど横島絡みの仕事や案件に一番多く関わっていた。

基本的に一人で行動的になるタイプではなく木乃香・明日菜・夕映の誰かと一緒であるため目立たないが、木乃香達のような特化した才能を発揮しない分だけ何をやらせても卒なくこなしているのだ。

今回のパーティーの件も頼みたいところだが、彼女は忙しいだけに頼んでいいか悩んでしまう。


「いっそ千鶴ちゃんに頼もうか……」

流石に明日菜と夕映は本格的なスイーツ作りには難しいなと考える横島はしばらく悩むが、千鶴のことを頼まれていたことを思い出し更に考え込む。

どのみち千鶴をパーティーに出すならば、最初から最後まで木乃香と一緒に居た方がフォローがしやすい。

それに千鶴は木乃香の手伝いの為にパーティーに出席したとすれば、パーティー中で関係者に挨拶をまわりきれなくとも言い訳になる。


「だとすると一応あやかちゃんにも声をかけるか。 でも彼女は当日は忙しいからな」

横島が千鶴子に頼まれたのは千鶴のことだけだったが、今回のパーティーへの木乃香出席の意味を考えると千鶴とあやかを一緒に手伝ってもらった方がいいだろうと考える。

ただ問題がない訳ではなく、あやかはパーティー当日は複数の肩書きを兼任する予定で忙しいのだ。

具体的には麻帆良祭で総合一位の2-Aのクラス代表に加え、麻帆良カレーと納涼祭の実行委員会からの代表の肩書きも兼任する予定だった。

まあ麻帆良カレーと納涼祭の代表は必ずしも必要な訳ではないが、出来れば誰か代表として出席して関係者に挨拶くらいはした方がいいのが実情である。

結局は雪広家の娘としての立場もあるあやかが、この手の仕事を引き受けてしまったらしい。

ちなみに夕映とのどかにもあやかと一緒に実行委員会の代表の一員にとの話もあったが、流石に無理だからと丁重に断ったようだ。

特にのどかは最近横島の影響で男性には慣れたが、流石にパーティーに出て挨拶回りなど無理だと珍しく全力で拒否したらしい。



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