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嵐を呼ぶかもしれない男

「人の気配か。 妙だな。 工事関係者は避難したはずなんだが。 それとこれからのことだが君はどうする?」

予期せぬ形で離れ離れとなった横島と小竜姫だが横島達の方はあまりよく知らない西条と横島の二人だけに空気が少し重い。

西条は令子達の合流するか先に進むか考え始めるが、まず確認しなくてはならないのは横島のことだった。


「どうするって言われてもな。」

「君はオカルトGメンに協力している民間のGSなんだ。 僕には君に協力を要請は出来ても命令する権限はない。 それに見習いで実力も知らない君に無理をさせる訳にはいかないんだよ。 何かあれば令子ちゃんと小竜姫様に申し訳が立たない。」

助けられた以上は足手まといだとは口にしなかったが西条は横島をどう扱うべきか決めあぐねていて、令子の事務所のしかも小竜姫の恋人だという横島に万が一のことがあるのは西条としては困るのだ。

本音としてはこのまま自分は先に進み調査したいが横島の意思はきちんと聞いておかねばならない。


「……先に進んだ方が良くないか? 小竜姫様は瞬間移動出来るから本当に危ないなら多分助けに来てくれるはずだぞ。 来ないってことは小竜姫様に何か考えがあるんだろうし。」

「そうか。 なら小竜姫様達は回り込んで他の入り口から地下に来るのかもしれないな。」

一方の横島は暗に邪魔だとも受け取れることを口にした西条に少しムッとしたが、それでも横島の意見を聞く姿勢を示したことで自身の考えを口にしていた。

ここで見習いだから大人しくしてろとか指示に従えと強制されると多分反発しただろうが、自分でどうすか決めろと言われると小竜姫を待ってるだけなのはあまりに情けなくて嫌だった。


「では先に進むぞ。」

「ああ。」

結局西条は横島の意見を参考に令子と小竜姫なら無事で何か考えがあり動くのだろうと理解して、自身は横島と共に進むことにする。



「でも少し意外ね。 すぐ合流するかと思ったんだけど。」

「いつも私が側に居れるとは限りませんしね。 横島さん一人では流石にまだ心配ですが。」

対して小竜姫達の方であるが三つある地下の工事区域への入り口の一つにGSを配置して封鎖したあとで残る一つの入り口から再び地下に降りていた。

令子は小竜姫が横島と合流しなかったことに少し驚いていたが、小竜姫とて横島には自分の居ない環境での実戦が必要なのは理解している。

実は小竜姫はその気になればこの程度の距離ならば横島に対して念話で声をかけれるがそれもしていない。

不安がないと言えば嘘になるがメドーサクラスの敵と出会ってしまうことがない限りは様子を見ることにしていた。


「あの二人大丈夫かしら? 喧嘩してなきゃいいけど。」

「フフフ。 大丈夫ですよ。 西条さんの経験と判断力に横島さんの勘と心眼も居ますから。」

尤も令子は何が心配かと言えば西条と横島が喧嘩しないか心配していたが。


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