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真の歴史へ

その横島に見限られた令子を思い出し
つくづく育て方を間違えたと思い頭を抱える美智恵だった…

確かに
安すぎる時給にいきすぎの体罰…
その上、危なくなれば盾に使い
他人の命は気にしない
そんな令子をいつまでも守る方がおかしかった


ルシオラという存在はそれだけ横島を成長させたのだろう…

結果、今の横島には神魔妖の最高の人材が側に居る

ルシオラも小竜姫も人間界では最強クラスだ
金毛白面九尾の妖弧は妖怪では最強クラス

もはや
神族や魔族が味方にいる横島に、対抗出来る人間は居ないだろう


仮に今、令子に危機が訪れても
すぐに助けに来るのは六道冥子と唐巣神父くらいだろう

六道冥子は未熟だし、実質唐巣神父頼りになってしまう


ただでさえ困難なアシュタロス一派との戦いを自分と令子がどう乗り切るかが問題だった


歴史を変えてはいけないその思いで
ずっと隠れているつもりだったが

もはや自分が動くしかないだろう……



自分の娘を守る為
美神美智恵は動き始める……




それからしばらくは横島達は普通に仕事をしながら日々過ごしていた

最近
横島は仕事で出会う妖怪を助ける為

人の居ない山奥や無人島を買おうと考えていた

まずは具体的に妙神山の普及の山をいくつか買った

妙神山の普及なら神族のテリトリーな為、人間が開発しないことを小竜姫が知っていたからだ


これはいずれ住処を追われる猫又のミイとケイの親子を想定しており
その他にもそんな妖怪を助けたいという横島達の思いだった

横島達は基本的に高額なお札や道具をほとんど使わない

必要な物はルシオラが作るか、横島の文珠を使っていた

その為依頼金のほとんどが利益になっていた

ルシオラの研究にはお金はかかったが
小竜姫とタマモは、ほとんどお金を使わなかった
せいぜいタマモのお揚げなどである


そして
ある程度貯まったお金で山を買ったのだ

この計画は唐巣神父にも相談しており、GS協会にも非公式にではあるが了解をとっていた

唐巣は喜んで協力してくれ、GS協会は小竜姫の圧力で認めさせた

GS協会は必ずしも妖怪などに寛容な勢力ばかりではなく、いろいろな問題が起きた時の責任論など反対もあったみたいだが
場所が神族のテリトリーの妙神山普及であること
計画に神族の小竜姫が加わっていることを考慮して非公式ではあるが認めた

非公式になったのは計画の推移を様子をみたいGS協会と、静かに実績を積んでいきたい横島側の思惑が一致した為だった


そしてこの裏には横島を敵に回したくない六道家の意向も反映されていた

横島とは適度な距離で良好な関係を望む六道家は、痛くもない腹を探られたくは無かった


こうして
唐巣と横島を中心にして小さな一歩ではあるが妖怪の保護地区を作ることに成功した


そうした中のある日…

横島の事務所にピートが連絡があった

唐巣が北海道で雪女の除霊に失敗したとのことだった

横島達はすぐに飛行機で北海道に行った

飛行機にルシオラが、興味津々だったのは言うまでもあるまい

「今度は飛行兵鬼つくらなきゃね~」


飛行機の中でルシオラは機嫌良くそんなことを言っていた

「まさか逆天号じゃね~だろうな… あれは目立ちすぎるぞ?」

飛行兵鬼と聞いて、未来の逆転号を思い出した横島と小竜姫は少し顔が引きつっていた

「や~ね~ あれは無理よ。 逆転号クラスは相当霊力が必要なのよ! あそこまで行かなくてもスゴいの作るわ! 楽しみにしててね!」

ルシオラは満面の笑みであれがどうとかこれがどうとか呟いていた…

その姿に

(((マッドサイエンティスト…)))

横島と小竜姫とタマモは心で呟いてため息をついた


横島はルシオラとドクターカオスを合わせたら危険だ!
なぜかそんな気がした…


そんなこんなで
横島達は唐巣とピートの待つ病院に着いた

病院で横島達を迎えたのは、ベッドに座りボーっとしてブツブツ呟く唐巣と、困った様子のピートだった

「遠いところすいません。 先生は僕が発見した時からこの状態です。 凍傷は治療したのですが…」


横島達は唐巣を見て声をかけたりするが反応は無かった

「相手は雪女でしょ? 魂も凍る呪いをかけられてるわ…」
タマモが唐巣の状態を見て横島達を見て話した

「そうでしたか…」

ピートは困った顔をして考え込んだ
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