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真の歴史へ

一方
横島は念話でルシオラ達と話していた

(どういうことだ? なんで隊長がここに来たんだ?)

(私を知ってるってことはアシュ様を倒した後の彼女でしょうね…)

(おそらく彼女は陰ながら美神さんを見守っていたのでしょう。 時間移動は珍しい能力ですが、美神家意外にもいますからね 歴史通りに進んでいるかどうか心配だったのではないでしょうか?)

疑問を話す横島にルシオラと小竜姫が考えを答える


(横島が美神の事務所に行かなかった時から監視していたんじゃないの? 六道家も横島が独立してすぐに来たし、おそらく裏で繋がってるわよ)

いつの間にか起きていたタマモが答えた

(そうね… 私や小竜姫さんが一緒にいるのをわかれば私達が未来から来たのは彼女なら気がつくわ)

(どうしようか?)

考えがある程度まとまったところで横島がみんなに聞いた

(未来から来たのは話しても大丈夫でしょう。 神魔の指導者も知っていますしね ただ詳しくは話さない方いいでしょうね)

小竜姫がそう言うと横島達の方針は決まった


「本日のご用件は何でしょうか?」

横島は営業スマイルで女性に話した


「成長したわね。 横島君 あの戦いが始まった時はただの素人だったのに…」

女性は複雑そうな笑顔で話した

「どうやら化かし合いをする必要はないみたいですね。 隊長」

横島は表情を引き締めて静かに話した

「横島君、ルシオラさん、ごめんなさいね… 私…」

女性が話していたのを横島が遮った

「謝らなくて結構ですよ。 あなたは何よりも娘を選んだ。 それだけです。 あの戦いの時、みんな自分の事だけを考えていた… 世界中のGSや、オカルトGメンや各国政府、誰もアシュタロスと戦おうとはしなかった。  戦ったのはオカルトGメン日本支部と俺達だけ…  それに、あの戦いの内容も結果も初めから全部知っていたんでしょう?」

「ええ、私は何度も未来に行ったわ。 それでやっと令子を救える方法を見つけ出した…」

美智恵は苦しそうにそう話した


「それで? なぜ俺達の前に来たんです?」

横島は淡々と話を進める

「もうこの世界は私が知っている歴史では無くなったわ。 本当ならずっと隠れてるつもりだったけど…」

「美神さんを守りたいなら、ご自分で守って下さい。」

横島は顔色を変えずに話していく
美智恵は少し驚いた表情になった

「令子を見捨てるの?」

横島やルシオラ達はその言葉に少し顔をしかめた

今の横島に美神を助ける義務も義理もない
それに前回の時も元々ただのバイトだったのだ


「何か勘違いをしてませんか? 今の俺は美神さんとはただの顔見知りですよ。 それに前回の時もただのバイトだったんですよ。 時給255円の… 盾や囮に使われたのは数知れず、あの戦いの後も美神さんは多額の報奨金を貰いましたが、俺は時給以外は一切もらってません。」

少しキツい言い方をした横島の話に美智恵は顔色が悪くなる
そんな中ずっと黙っていたルシオラが話し出した

「美智恵さん、あの戦いで辛うじて再生できた私はしばらくヨコシマのアパートに住んでいました。 その私とヨコシマが美神さんから離れたのは理由があったんです…」

ルシオラはあの戦いでベスパの卷族によって霊気構造を集められ、復活出来ていた


「俺達はある日、国からの依頼で那須高原に行きました。 内容は金毛白面九尾の除霊です。 その時オカルトGメンは九尾の除霊に反対していました。 隊長も知っているでしょうが、九尾はそれほど悪い妖怪では無かったのです。 でも国は傾国の妖怪として危険と決めつけて除霊しようと、自衛隊と美神さんに依頼した。 美神さんはお金に目がくらんで除霊しようとした」

横島は当時を思い出しながら悲しそうに話した
膝の上のタマモを撫でながら…

タマモにとってはつらくもあり、嬉しくもある思い出

転生してすぐに人間に終われ殺されそうになった…
だが、あの事件があったからこそ横島に出会った…

本当に複雑な気持ちになる出会いだった

そんなタマモを優しく見つめていた

そんな中ルシオラが話を続ける


「美神さんが九尾を追い詰めて私達が捕まえて除霊する。 そんな時、現れた九尾は生まれたばかりの子狐でした。 私とヨコシマはとっさに子狐を隠して、幻術で作った偽物を退治したように見せかけました。」
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