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嵐を呼ぶかもしれない男

「それでは今回の霊障について説明する。」

西条が戻って来たのは勝手に地下に立ち入り先走りしたGSが怪我で逃げ帰って来た後だった。

公務執行妨害と不法侵入の容疑で身柄を確保され彼は病院に運ばれたが、オカルトGメンとGS達は近くの警察署を臨時の対策本部として会議室にて対策会議を開いていた。


「霊障の発生源は現在判明してる段階では地下鉄の新規工事中の区間。 原因は不明。 オカルトGメンのコンピュータ・バンクの試算では悪霊が三百から五百と出た。 至急除霊を開始したいが質問はあるか?」

「報酬は依頼人から出るけど経費と万が一の際の損害賠償はどうなるワケ? 私達は赤字になってまで除霊はしないわよ。」

「損害賠償はオカルトGメン指揮下の場合は当然Gメンが持つ。 それと今回は特例として経費もオカルトGメンが後日補填する。」

霊障の規模はGS達が想定していたより多く広範囲に散らばっているため、装備の質よりも人員が必要な案件だった。

加えてオカルトGメン設立間もないこの時期に失敗すれば日本における信頼に直結するために、西条としては多少の経費には目を瞑っても早期に解決せねばならない。

オカルトGメンは当然ICPO所管の国際機関だが、日本支部の予算の大半は日本政府から出ているので立場が微妙に難しく出来ませんということは簡単には言えない立場になる。


「他に質問がない場合は具体的な配置と作戦に移るが構わないか?」

そして都心の地下の大規模霊障はすでにマスコミも騒ぎだしているので西条とGS達は具体的な話に移り、すぐに除霊を開始することになった。


「私達は美神さん達と一緒ですか。」

「原因の特定が最優先なのよ。 地下だし万が一を考えると私と西条さんだけじゃ戦力が足りないの。 お願いしていい?」

「ええ、構いませんよ。」

除霊は幾つかある地下の入り口から分かれて突入しそれぞれに除霊していくことになるが、霊障の中心地である発生源に真っ先に踏み込むのは当然危険が伴いオカルトGメンの西条と令子が向かう。

しかし戦力的に厳しいということで令子の提案により小竜姫達が一緒に同行することになった。


「本当は見習いをあまり危険な場所に連れていくべきではないのだが……。 それに小竜姫様はよろしいので?」

「私達なら構いませんよ。 最悪の場合は私の瞬間移動で撤退出来ますから。」

まあ西条の方は一応極秘の存在として一般的には正体を隠している竜神の小竜姫をどう扱うべきか迷うし、見習いの横島と雪之丞も過度な危険に晒すことには慎重な姿勢だったのだが下手に他のGSを連れていくよりはいいからと令子に押しきられている。

もちろん西条も令子も小竜姫頼りの除霊をする気は全くないが何気に結界が使える横島と攻撃的な雪之丞の組み合わせはバランスがよく、最悪の場合は撤退が容易なことが令子が小竜姫達を押した理由だった。

作戦会議の最中もあまり緊張感などなかった横島と雪之丞は、多少西条に思うところがある横島も含めて小竜姫に任せると丸投げしていてこちらに異論はないらしい。

横島に関しては今日の夕食は何かなと考えていたりと危機感すらなかったが。

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