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嵐を呼ぶかもしれない男

「なんというか凄いな。」

「でしょ? 本当最近の小竜姫様って抜け目ないのよね。」

一方令子の方だがこちらはストレスを感じてるようであったがまださほど表面には出てなく、西条と昼食を取りながら自分が抜けた後の事務所の話をしていた。


「僕も土地神様ならお会いしたことがあるが、あのクラスはお会いしたことがないから何とも言えないが……、いいのかい?」

「いいんじゃない? 多分誰かに何か言われてもメドーサを探すためとか言って誤魔化すでしょうし、そもそも小竜姫様に物を言える人なんて居ないわよ。」

二人もまさか別の神族を呼び寄せて神族自身が営業までして仕事をするとは思わなく、それでいいのかと西条が不安になるほどだが別に悪いことをしている訳ではない。

令子の方はもう儲かるなら何でもいいと考えるのを半ば放棄していて、実際自分が居なくてもかなり儲けが出てるのでその分ストレスが減っていたりする。

正直五割の利益は小竜姫に事務所を押し付ける迷惑料程度に考えていたが、小竜姫が令子の名前を使い営業してる影響は大きく一ヶ月後に令子が戻っても影響がいきなり消えることはなくその後も令子の大きな利益になることは考えるまでもない。

そう考えれば五割は惜しくないし、一ヶ月小竜姫に任せてしまえば勝手に新規の顧客を大量に開拓してくれるので濡れ手に粟とはこのことだろう。


「僕としても令子ちゃんの事務所が安泰なのは有りがたいけどね。」

西条の方は日本のオカルト業界では霊能の神として信仰する人すら居る小竜姫が、楽しげに霊能事務所を営んでると聞くと複雑というかどう受け止めていいか今一つはっきりしてない。


「前はもっとお堅くて融通が利かなそうだったんだけどね。」

「変わったのかい?」

「そうね、多分横島クンに惚れた頃からかしら。 融通が利くし私としては助かるんだけどね。」

ただ小竜姫の変化の影には横島が居ると聞くとおとぎ話にしかないような神族と人間の恋愛の影響なのかと考え、小竜姫もそうだが横島や雪之丞など小竜姫が側に置いてる人の扱いは慎重にしなくてはと少し冷や汗を流して改めて考える。

西条からすれば実は雪之丞も横島もただの見習いだろうと軽く見ていたが、下手に二人の機嫌を損ね小竜姫に有ること無いこと吹き込まれると西条のみならずオカルトGメンの運営に影響すら出かねない。

神族が色恋沙汰で冷静な判断が出来なくなるなんてどっかの神話じゃあるまいしあり得ないだろうとも思うが、現実問題として日本のオカルト業界への影響力を考えると小竜姫にそっぽを向かれるだけで誰も協力してくれるGSは居なくなるのだ。


「横島君はどんな人なんだい?」

「横島クン? 明け透けでスケベなのが気になるけど、まあ年頃だし普通の高校生じゃないかしら。 西条さんとは真逆のタイプかも。 よくクラスに居るお調子者みたいな感じね。 霊能者としては本気か希望かは知らないけど小竜姫様はいずれ私を越えるような霊能者になるって断言してるわね。 現時点でも小竜姫様とかなり高位な契約してるから強いけど。 最近じゃ竜装術って呼んでるけど自力で半竜神化しちゃったし。 ただ最近まで霊力の霊の字も知らない子だったからまだまだ未熟だけどね。」

ちなみに西条は令子に横島の評価を聞くと意外に高い評価を令子は語るも、西条はその評価からどう扱うべきか余計に悩むことになる。

はっきり言えば規格外過ぎた。

GSというよりは神族の戦士にでもするのかと疑いたくなる評価であるし、強いが未熟だと言うと正直扱いにくいとしか言いようがない。




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