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新しき絆

「嬉しいっすけど、気持ちだけもらっておきますよ。 俺みたいな男を泊めて、間違いでも起きたらダメですからね」

横島は魔鈴が優しい為、心配して言ったと思っている


未だに魔鈴の気持ちには気が付いてないのだ…


横島はそんな魔鈴の優しさが本当に嬉しく、魔鈴を大切に思っている

その為、泊まるなんて考えは無かった


「ダメです。 こんな夜中に帰せません!」

魔鈴は笑顔でニッコリとした表情だが、言葉はキツかった


横島に有無を言わせない雰囲気をだしていた


魔鈴は横島をこんな時間に帰すのが心配だった

足どりもふらふらしているし、かなり酔っているのがわかるからだ


それに、魔鈴は横島を好きなのだ

横島の恋人になるのは、ルシオラの存在があるため望まないが…

それでも横島を好きだった

そして心の奥では、ルシオラの次でいいから愛して欲しいと……

願っていた



「いや~ でも…」

横島は魔鈴の雰囲気に飲まれて言葉が出なかった


「さあ、家に行きましょう!」

魔鈴は横島の言葉を聞いて無かった


戸惑う横島を引っ張って自宅へ連れて行った


そして、お客用の個室に横島を案内した


「このベッドを使って下さい」

魔鈴はテキパキと、ベッドを用意して横島に話した


「あの~ 本当にいいんすか?」

横島は困ったように魔鈴に話した


「一人が寂しいなら、私と一緒に寝ますか?」

魔鈴はニッコリ笑って聞いた


「いや、大丈夫っす!」

横島は慌てて魔鈴に返事した


「そうですか… では、おやすみなさい。 今日は本当に楽しかったです」

魔鈴は少し残念そうにしたが、気を取り直して横島を見た

そして、笑顔で今日のお礼を言った


「おやすみなさい。 俺も今までで一番楽しかったっすよ」

横島は魔鈴に答えるように笑顔で話した


魔鈴は嬉しそうに微笑んで、部屋を後にした


横島は酔いが回っている為、すぐにベッドに寝ころんだ


魔鈴の家の天井を眺めながら苦笑いしていた

「魔鈴さんって意外に強引だな~ 俺のこと男として見てないのかな? それとも信頼されてるのかな?」

横島は魔鈴のことを考えるが、理由はわからなかった


ただ、魔鈴のことを考えると心が暖かくなる気がした

ルシオラと同じように……


横島自身…

心の中にルシオラと魔鈴の二人いる


自分で気持ちを封じてるので自覚はないが、魔鈴への気持ちもルシオラ同様に、確かに膨らんでいた


横島はグルグル回る頭で考えるが…

いつの間にか眠ってしまっていた



横島が眠って少しした時、魔鈴が様子を見に来た


「横島さん、寝れてますか?」

魔鈴は静かにドアを開けて、横島に小さな声で話しかけた

かなり飲んでいたので、具合が悪くないか心配して来たのだ


「よかった…、寝てますね」

魔鈴は横島がグッスリ寝ているのを確認して安心した


そして、風邪をひかないように、横島に布団をしっかりかけてあげた


その時魔鈴は、ふと横島の寝顔を見た


無邪気に眠る横島を見ると、魔鈴は幸せな気持ちになって、胸がドキドキした


そして魔鈴はそのまま、横島の顔に近づいていった…


チュッ!!


魔鈴の唇は、横島の頬に当たっていた


「このくらいは許して下さいね… ルシオラさん」

魔鈴は一人呟いて再び横島を見た


「あなたは私が必ず守ります。 ルシオラさんに再び会える日まで……」

魔鈴は笑顔でそう呟いて部屋を出た


自分の寝室に戻る途中で魔鈴は苦笑いしていた

「私も少し飲みすぎましたね…」

魔鈴は今日の自分の大胆な行動や言動に、顔が赤くなっていた


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