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▼狐の夢・第3話の弐

それを見届けた後、横島が静かに美神に問いかけた。
よく見ると肩がわずかに震えている。

「なんでアイツの飼い主を探してくれなかったんですか…
どうしてせめてあと一日、待ってもらえなかったんですか……」

その横島の問いに対しての美神の答えは

「だって依頼達成時の満額支払いの期日が今日までなんだもの。
一億よ一億。それが明日になると5千万になっちゃうのよ?
一日違いで半額になっちゃうなんてバカみたいじゃない」

というものであった。

それを聞いた瞬間、横島の震えが止まった。

「たった、たったそれだけの理由で…!?」

感情の篭らない声で横島が問う。

「たった、てなによ。あんたが5千万稼ごうと思ったらどんだけかかると思ってるのよっ!」

横島の言葉に頭に来たのか美神が怒鳴る。

「美神さんは今まで十分すぎるほど稼いでいるじゃないですか。
それなのに…」

「だってお金が好きなんだもの、しょうがないじゃない。
でもまぁ、あんたの文珠で無事に成仏できたんだから「めでたしめでたし」てことで」
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