新しき絆

魔鈴は少しムッとしたように横島を見た

「横島さん、私と一緒にクリスマスを過ごすのが不満なんですか?」

魔鈴は寂しそうに横島を見つめている


「えっ…!? いや、逆っすよ?」

横島は魔鈴が何故そんなことを言ったか理解出来ない


「二度と無い、なんて言い方をされたら、迷惑みたいに聞こえましたよ? 私とはもうクリスマス一緒に過ごしたくないみたいに……」

魔鈴の顔には先ほどまでの笑顔が消え、不安や寂しさで満ちていた…


横島は魔鈴のそんな顔に、再び心が激しく痛む…


「え…っと… 俺は魔鈴さんと一緒に居ると幸せですよ。 俺にはもったいないくらいに…」

横島は思わず魔鈴を抱き締めたい衝動にかられていた


不安や寂しさの魔鈴を見てられなかった……


「横島さん… 本当にそう思うなら、二度と無いなんて言わないで下さいね… 私…… 横島さんと一緒で、本当に嬉しかったんですから……」

魔鈴は顔を赤らめて、下を向いて少し恥ずかしそうに話した


「魔鈴さん…」

横島は魔鈴に見とれていた…

そして二人はお互いに照れたような感じで食事を始めた


時間は深夜だが、クリスマスイブに豪華な食事をする二人はお互い幸せだった


魔鈴も横島も、クリスマスにデートのような食事をするのは初めてなのだ


食事が一通り終わると、魔鈴はワインを持ってきた


「横島さん、少し一緒に飲みませんか?」

魔鈴は微笑んで、横島のグラスにワインを注いだ


「じゃあ、少し飲みましょうか」

横島は魔鈴の言葉に笑顔をみせて、ワインを飲み始めた


二人でワイン1本を飲み干す頃…


横島は魔鈴に用意していたプレゼントを渡した


「私にもプレゼントがあったのですか!?」

魔鈴は本当に驚いてプレゼントと横島を見ていた


「たいしたもんじゃないっすけどね。 受け取って下さい」

横島は照れたように笑って話した


魔鈴の表情は予想もしなかった横島からのプレゼントに、驚きと喜びで満ちていた


「開けて見てもいいですか?」

魔鈴はプレゼントの箱を持って横島を見た


「いいですよ。 気に入ってもらえたらいいんすけどね~」

横島は魔鈴がどんな反応をするか楽しみだった


「私は、横島さんからプレゼントを貰えただけで嬉しいですよ」

魔鈴は子供のような無邪気な笑顔を見せていた


そして魔鈴はゆっくりプレゼントの包装を開けてみた


「これは……」

魔鈴は言葉がでてこなかった


箱の中には、横島の手作りの文珠が付いたネックレスとイヤリングが入っていたのだから…


「よ…横島さんが作ったのですか?」

魔鈴は横島の手作りのネックレスとイヤリングに、嬉しさで涙がこみ上げてきそうだった


「下手だったっすかね? 精霊石のアクセサリーの精霊石の代わりに、文珠で作ってみたんすけど…」

横島は少し不安そうに苦笑いしていた


横島が作ったネックレスやイヤリングは、とても良くできていた


文珠以外は銀で作っており、多少だが対魔効果があった

原材料の銀を文珠の『柔』で柔らかくして、文珠の珠を一つつけて作ったのだ


「いえ、とてもよく出来てますよ! あまりによく出来てるのに驚いてたんです。 横島さん凄いです…」

魔鈴は横島が不安そうに苦笑いしたので、驚いて否定した


自分はそんなつもりでは無かったのだ


あまりに上手く出来てる為、文珠が付いてなかったら手作りには見えなかったくらいだ


「そうっすか。 良かった~ 初めて作ったんで不安だったんですよ。 精霊石のアクセサリーは値段の割に、威力が低いですからね。 文珠ならいざという時、役に立つっすからね」

横島はホッとしたように笑っていた


横島は簡単に話したが、そんなレベルの物では無いのを魔鈴は理解していた

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