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新しき絆

その日はお昼からずっと忙しく、店内はは常に満席だった…


横島が厨房に入った為、シロとタマモが店内で接客に回っていた


魔法のホウキや黒猫も忙しく働くが、人手が足りなくてちょうど良かった…


魔鈴は主に厨房で料理を作っており、横島は魔鈴のアシスタントとして下準備や皿洗いなどを忙しくこなしていた


「すいません、横島さんにまで手伝ってもらって… タマモちゃんとシロちゃんにもいいって言ったんですが…」

魔鈴は手を動かしながら、横島に申し訳なさそうに話した


「忙しい日くらいは頼って下さいよ。 これからは一緒に働く仲間じゃないっすか」

横島も働きながら笑顔で魔鈴に話した


「でも… まだ、働く前ですし… せっかくのクリスマスですよ?」

横島達が手伝ってくれるのは本当に助かっていた

いつもは休憩も出来ないくらい忙しいのだから…


でも、せっかくのクリスマスな働かせてしまうのは悪い気がした


「いいっすよ。 どうせデートの相手も居ないですしね…」

横島は少し苦笑いしながら魔鈴に話した

「本当ですか? 誰かに誘われませんでしたか?」

魔鈴は少し不思議そうに聞いた

魔鈴が知る限り、横島に好意を持つ人は数人居た


令子、おキヌ、小鳩…

誰かが誘っててもおかしくなかった…


ただ、令子は素直に誘える性格ではないし、おキヌは最近横島と会話をしてない為、言い出せなかったのだ…

後の小鳩はアルバイトが忙しく、今日は仕事だった…


「いや~ 誘われてないっすよ? ってか、俺がクリスマス誘われる訳無いじゃないっすか!」


横島は魔鈴が何故そんなことを聞くのか理解出来なかった…


モテたことない自分が誰かに誘われるはずは無いのに…


「そうですか… 良かった…」

魔鈴はホッとしたように小声で呟いた


「何が良かったんすか?」

横島は首を傾げて魔鈴に聞いた


「いえっ!? 何でもないです!!」

魔鈴は顔を赤くしてごまかした


魔鈴はつい安心して良かったと口に出していた…


本当は魔鈴も、今日横島を誘いたかったが…

まさかクリスマスに店を休む訳にもいかずに諦めていたのだ


横島の心を知る魔鈴なので、他の女性に誘われても横島が行くかは怪しいとは思ってはいたが…


それでも、不安だった…


と言うか…

好きな人がクリスマスに他の女性と一緒に居るのは嫌だった……


魔鈴は料理の下準備をする横島を、横目で見つめて微笑んでいた



一方横島は…


(魔鈴さん楽しそうだな~ 料理するのが楽しいんだろうな~)

機嫌よく料理をする魔鈴を見て横島は、魔鈴が料理が好きなんだな~

と感心していた


確かに魔鈴は料理が好きだし、たくさんの人に自分の料理を食べてもらえるのが嬉しいが…


いつもより機嫌がいいのは、横島と一緒に料理をしている為である……



それから、魔鈴や横島達は夕方まで忙しく働いていた


魔法料理と言う珍しい店に、クリスマスのディナーを予約した客で1日一杯だった…


日暮れて、辺りが夜の闇に包まれてる頃…

タマモとシロは帰ることになった


令子やおキヌに内緒で来てるので、早めに帰るのだ


最も…

令子は西条に誘われて食事に行ってるし、おキヌも友達とクリスマスパーティーをする為居ないのだが…


人工幽霊が居る為、あまり遅く帰ると後で理由を聞かれる可能性があるのだ


「じゃあ、私達帰るわね。」

タマモはシロを連れて魔鈴と横島に声をかけた


「タマモちゃんとシロちゃん、今日は助かりました。 本当にありがとう。 これ少ないけど…」

魔鈴はタマモとシロにバイト代としてお金を渡した


「いつもおやつご馳走になってるし、このくらいなら、いらないわよ?」

タマモは少し驚いて魔鈴を見た


「そうでござる! 拙者はまたご馳走してくれればいいでござる!」

シロも受け取ろうとしなかった


「今日はたくさん頑張ってくれましたし… 気持ちですから、受け取って欲しいのですが…」

魔鈴は少し困ったように二人に話した

さすがに何時間も働かせて、タダで帰すのは出来なかった


「うーん… じゃあ、預かっててよ。 私達がお金持ってると不自然だし… 見つかったらうるさいの」

タマモは少し考えて魔鈴に預けることにした

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