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GS試験再び!?

「よう、ピート。 俺は昨日急に決まったんだよ」

10年来の友人であるピートの緊張した姿に、横島は微妙に苦笑いを浮かべていた


(昔は何も感じなかったけど、この時代のピートって精神的に弱いな)

未来のピートと比べるとこの時代のピートは、かなり精神的な弱さが目立っている

人間と違いすでに700年は生きてるはずなのだが、人間との関係などいろいろ悩んでるピートは普通の人間よりも精神的に弱く見えてしまう


「横島さんもGSを受けるんですね」

霊能者の中で一人で不安なピートは、横島と会った事でかなり安心してホッとしているようだ

バンパイアハーフである事へのコンプレックスや見知らぬ霊能者に対しての恐怖など、様々な感情があるのが今の横島には僅かに見えていた


(こいつも苦労してるからな~ しかし、この時代の俺でホッとするのは間違ってる気が……)

ピートの苦悩や苦しみの一部を理解する横島だが、この時代の自分に期待するピートの気持ちが理解出来ない

横島もまた過去はコンプレックスだった



「横島さーん!! ワッシは…… ワッシは……」

そんなピートに続き緊張からテンションがおかしいタイガーが来るが、こちらも横島は苦笑いを浮かべるしか出来ない


(昔の俺の周りって……)

過去に戻ってシミジミ自分の環境が変だと思う横島だが、この時代のタイガーに何を言っても無駄だろうと思い言葉が出て来ない



「GS協会広報課です。 最年長受験者としてコメントをお願いします」

「GS免許を取得出来るように、全力を尽くすだけじゃよ」

「何故、日本でGS試験に受験しようと考えたのですか?」

「無論GSになるためじゃ。 ある者と約束をしておるでな」

横島達と少し離れた場所では、カオスがたくさんの人に囲まれてインタビューを受けていた

その様子は未来の時と大差ないが、カオスもまた横島と魔鈴と同じ真の不老不死の影響があるためにボケてる感じが消えている


「そろそろ行こうぜ」

そんなカオスと一瞬だけ視線を合わせた横島は、ピートとタイガーと共に試験会場に入っていく



「そういえば横島さんには霊能力がなかったような……」

一次試験の会場に入った横島達だが、ピートはようやく横島に霊能力がなかった事を思い出していた


「ああ、ちょっと訳ありでな」

一瞬ピートに心眼や小竜姫の事を話そうかと思った横島だが、またピートが緊張しても困るので言葉を濁す



さてそんな横島達だが、同じグループに過去と同じようにカオスや変装した令子がいる

いよいよ一次審査が始まり、審査員の合図で霊力を上げていく一同だが……

横島の体から霊力が吹き出すとピート・タイガー・令子の三人は驚きの表情で目を見開いていた


(横島クン!?)

バンダナの目が開き強力な霊力が吹き出す横島に、令子は信じられない思いである

先程心眼に聞いていたが、それでも半信半疑なのだ

まあ昨日まで全くの素人だった横島が高い霊力を出しているのだから、さすがの令子も信じられないようである


この時、令子は自分の霊感が騒ぐのを感じていた

それは今までに感じた事がない感じの霊感である


(何? この感覚は……)

強い霊力を発する横島を見ていると、無償に意味が解らない不安が膨らんでいた


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