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平和な日常~春~

イギリスのメルディアナ魔法学校ではネギの祖父である校長が苦悩していた

孫であるネギの卒業後の修行先のメドが全くたたないのだ

このまま魔法学校で修行を積ませる選択肢もない訳ではないが、校長の孫にして英雄ナギの息子であるネギに対して魔法学校関係者はほとんど腫れ物を触るような扱いなのである

ネギが規則を破り禁呪書庫への立ち入りなど問題もあっただが、それを教師陣の全てが見て見ぬフリをしていた

そればかりか魔法のコントロールが甘くよく武装解除の魔法を暴走をさせるネギには、幼なじみのアーニャ以外の生徒達は誰も近寄らなくなっている

元々勉強ばかりしてるネギはそんな環境を全く気にしてないようだったが、メルディアナ魔法学校では半ば変人扱いだった


「ここに居てはネギの為にならんのじゃが……」

教師陣とネギの関係は一見すると悪くない

元々ネギは頑張り屋で勉強熱心な為、成績だけはよく誰もネギを叱る事など無かったのだ

まあ実際は欠点が無い訳ではなく、魔力のコントロールの甘さや治癒魔法が苦手な事などいろいろ欠点があるが誰も指摘も指導もしてない

魔法学校の関係者はみんなナギと比べれば素直でいい子だと褒める一方で、ネギとの距離が近付き過ぎないように警戒もしていた

メルディアナ魔法学校にはかつてナギに関わってロクな目に合わなかった者も多く、はっきり言うとメルディアナ魔法学校時代のナギはただの問題児でしか無かった

結果として世界を救った為にナギは英雄と呼ばれているが、その過程では指名手配を受けたりあちこちで揉め事を起こしたりと決していい話ばかりでは無かったのである

ナギの息子であるネギも一見素直でいい子だったが、規則を破り嘘をついたりしてまで危険な攻撃魔法を覚えるなど裏側もあった為に教師陣は進んで関わろうとはしなかった


「近右衛門が受け入れてくれればのう……」

友人でもあり麻帆良学園の学園長でもある近右衛門に断られた事は、祖父としてはショックである

やはり多くの人と関わり、しっかりとした環境で修行と経験を積んで欲しいのだ


「なんとかせんといかんのう」

メルディアナ魔法学校長はマギステル・マギとして名実共に優秀な人間だが、彼もまた普通の祖父であり孫には甘い部分が多かった

校長自身も今までにもネギには時折指導はしているが、ネギは一見素直に返事はするのだが危険な魔法の習得を辞めることは無かったのである

口では立派な魔法使いを目指すと言うが、ネギの頭には立派な魔法使いどころか他人のことなど全くない

ネギにあるのは両親への強い想いと村を滅ぼした相手への憎しみだけだった

そんなネギに対し祖父としては、なんとか環境を変えて正しい道へと導きたい

その為にも安全で魔法使いと一般人の共存に成功している麻帆良で、ネギを受け入れてもらえるように働き掛けを強めるしか方法は無かった



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