――――数日後

それはシロが里帰りをしていて不在、おキヌも氷室神社の手伝いの為帰省していて留守にしていた日の出来事であった。

その日美神は受けた依頼の整理をしながら、一枚の書類を取り出した。

「今日中に終わらせなくちゃいけないのはこの一件ね。
横島クン、タマモ、出かけるわよ。準備しなさい」

事務所に残っていた従業員二人に声をかけ、美神達は現場へと向かった。

依頼内容は、古い家屋を取り壊しマンションを建てたいのだが魔物が取り憑いているらしく工事が進められないため退治してほしいというものであった。

死者は出ていないが数名のＧＳが病院送りにされているそうだ。

美神を先頭に、横島とタマモが後に続き建物の門をくぐって中に入った瞬間、外では感じなかった強烈な敵意が三人を襲う。

「こ、これは…」

横島は若干腰が引けている。

「しっかり監視されてるわね…」と美神が呟く。