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新しい生活

(少しは楽になったのかな…)

横島が魔鈴をチラリと見ると、魔鈴は静かに笑みを浮かべる

理由はわからないが、二人の間に何かあったのは確かだと思った


(とりあえず、最初にしては上手く行ったな)

魔鈴とシロとタマモ、そしてベスパとパピリオ

身近な大切な人達が互いにいい関係に近付いたことに、横島は心から安堵していた


魔鈴と横島を除く四人はこれから先、永遠に近い時を生きて行くことになる

横島は自分や魔鈴が亡くなった遥か未来に、彼女達が助け合える関係を築ければいいと密かに望んでいた


(ルシオラ… お前もいつか一緒に……)

いつの日かルシオラも一緒に未来を

横島はそんな希望を胸に抱えたまま、今日この日を楽しんで行く



さて、そんな調子でデジャヴーランドを楽しむ横島達だが、彼らはあるアトラクションの前で驚き止まっていた


「GS美神令子監修、マジカル・ミステリー・ツアー!?」

驚き看板を見上げる横島、まさかこんなアトラクションがあるとは知らなかったようだ


「先週オープンしたばっかりのやつみたいね。 GS体験が出来るみたいよ」

パンフレットを見て内容を説明するタマモだが、何とも言えない表情である


「なんか不自然な結界を感じるね…」

賑やかな場所に相応しくない霊的結界を感じたベスパは、少し険しい表情である

何か嫌な予感がしているようだ


「先生ー! 霊能者への注意書きがあるでござる!」

「どれどれ… 中は霊的なアトラクションになっており危険はありませんが、霊能者の方の能力は使えない処置を施してます!?」

シロが見つけた看板には、霊能者への注意事項が書いてあった


「霊的なアトラクション? 何か危なそうですね。 私達は止めておきましょう」

パピリオは少し行きたいようだったが、令子が関わる時点で普通ではない

まして霊能力が使えない中へ妖怪や魔族が入ってどうなるかわからないと思った魔鈴の進めで、一行は他のアトラクションへ向かった



ちなみに横島達が回避した『マジカル・ミステリー・ツアー』だが、この日から数えて2週間後に突然閉鎖されることになる

デジャヴーランド側はシステム不備の為の全面改修だと言う理由で閉鎖したが、再開されることはなかった

だが実は、閉鎖には隠された事情がある

このアトラクションには本物の低級霊が使われていたのだ


運用自体は、きちんとした結界などで問題はなかったのだが

アトラクションと言う遊具に低級霊とはいえ命を道具のように使うこのシステムに、一部のGSが気が付き問題が起きたのだ


このようなシステムを許せば、いずれ無害な霊達は機械や道具のように使われることになる

そうした倫理的観点から、GS協会がデジャヴーランドに閉鎖を求めたのであった


結果デジャヴーランド史上最短のアトラクションとして、一部のマニアで有名になることになるが…

この問題もまた世間に公表されることは無かった

基本的に法律では一切犯罪では無いし問題も無い

しかしスキャンダルを恐れた美神親子の裏工作により、闇に葬られることになる



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