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変わりゆく日々

さて過去に来てからの魔鈴だったが、彼女のやる事は横島以上に山積みだった

横島が学校に通う分、事務所の設立や今後への準備などが全て魔鈴がやらねばならないのだ

事務所の人員としてはカオス・マリア・雪之丞が居るが、残念な事に三人には事務所に関わる仕事をする能力などない

まあ雪之丞は最低限手伝っていたが、雪之丞に出来るのは精々お使いくらいである


「これなんか似合いますね」

この日魔鈴は忙しい時間の合間を利用して、横島と雪之丞と共に都内のショッピングモールに来ていた

それと言うのも横島と雪之丞はろくな服を持ってなかったのである

まあ日常生活の部屋着としては問題ないのだが、事務所の仕事をするには問題があった

雪之丞は着古したようなスーツが一着だけだし、横島に至っては学生服はあってもスーツがない

除霊自体は荒事になる事や汚れる事が多いのだが、やはり最低限しっかりした服装でないと客に不安を与える事も少なくないのだ

結局この日は二人が仕事中に着るスーツを買いに来たのであった


「俺は別にスーツは一着でいいんだが……」

「GSも見た目が大切なんですよ。 人は見た目や服装で相手を判断しますしね。 本格的な霊衣がいいならば、そちらを用意しますが」

言われるがまま着いて来た雪之丞は服を買うのはイマイチ乗り気ではないようでスーツを買うのを渋るが、魔鈴は仕事に対しての必要性を語り雪之丞にもスーツを選んでいく

GSと言ってもピンからキリまでいるが、一般的には霊衣やスーツを着るのが常識である

中にはエミのように助手に迷彩服を着せる者も居るが、どちらにしろ専用の服装があるのは変わらない

魔鈴は仕事には魔女服を着るが、横島と雪之丞は魔道士ではないのでスーツが気軽でいいと判断したようだ


「客にナメられたら面倒なんだよ。 めぐみはともかく俺やお前はただのガキに見えるからな。 高い金払って来たのがガキなら嫌な顔の一つや二つされる事も珍しいからさ」

GSも所詮は客商売だからと横島も説明するが、雪之丞は経験もない為イマイチ実感がないらしい

強さや価値観もそうだが、この時点の雪之丞は社会経験も少ないようである


「本当は特殊な布で出来た霊衣の方が防御力もあっていいんですが、値段が高い割に長持ちしないんですよね。 それに雪之丞さんの場合魔装術を使われるので防御力自体が必要ありませんし…… まあこのスーツ代は経費で買うので我慢してください」

横島と魔鈴に説得されるままスーツを買う事になる雪之丞だったが、面倒ではあるがそれ以上拒否をする理由もなかった

代金が事務所の経費ならば問題ないと納得してしまう


結局魔鈴はそのまま横島と雪之丞のスーツと、横島が日常に着る服などを次々に選んでいく事になる

特に学生服の下に着ていたシャツなどは少し着古し過ぎた感じがあり、早急に必要だったのだ

横島はあまり気にしないが女子は細かいところを見てるだろうし、学校で恥をかかないように魔鈴は細かなところまで気を配っていた


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