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▼狐の夢・第3話の壱

次の瞬間、美神は思わず夕日から視線を逸らし、おキヌも俯いてしまった。
それでもやはり横島が気になるようで、おキヌはチラッと横島の様子を伺う。

と、そこにはやさしげな微笑を浮かべたタマモが横島の肩にそっと手を乗せて寄り添っている姿が映った。
横島の表情はおキヌの位置からは窺えないが、彼の背中から感じる雰囲気は以前のような儚さはない。

「ずきっ」おキヌは胸に鈍い痛みが走ったような感覚を覚える。
その夜、事務所に戻ってからも先ほど見た光景が頭から離れずおキヌは眠ることが出来なかった。

「横島さん…」

彼女の小さな呟きは、満天の星空に吸い込まれ消えていった……
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