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GS横島 運命と戦う者

「あいつも懲りんな… 神族より魔族が似合いそうだ…」

我関せずと言った表情で朝食を食べるワルキューレは、呆れ気味に呟く


「まあ、神族にもいろいろいるからの…」

老師はヒャクメを見て、ため息をはく


ジークやベスパは毎度のヒャクメの覗きに、もはや口を挟まない


「ヒャクメ、あなたには特別におかずを用意しますね~」

小竜姫は何故かニコニコと笑顔で台所へ向かう


「私は、ある物でいいのね…」

ヒャクメは小竜姫の心を覗いたのか、顔色が真っ青だった


「はい、どうぞ~ あなたの大好きな梅干しですよ。 残さず食べて下さいね」

小竜姫がニコニコと持って来たのは、どんぶり一杯の梅干しの山


「……これ全部食べなきゃだめなの?」

ヒャクメは何故か全身の目を潤ませながら、小竜姫にすがるように見つめる


「ヒャクメの為に、まとめ買いしたんですよ? 足りないならまだまだ有ります」

小竜姫は変わらぬ笑顔でヒャクメを見つめる

どうやらヒャクメを許す気は無いらしい


「一個で勘弁して欲しいのね… 私の敏感な味覚だとこの梅干しは無理なのねー」

ヒャクメは涙目で小竜姫にすがりつく

どうやら、ヒャクメは梅干しが苦手らしい


「せっかくヒャクメの為に、一番酸っぱい梅干しを勝ってきたのに… 私の好意を無駄にするんですね?」

小竜姫は逆に悲しそうにヒャクメを見つめて、最後にまたニコニコと微笑む


ヒャクメは助けを求めるように、キョロキョロ周りを見るが…

横島達はみんな知らん顔で朝食を食べている

同じく責められてたはずのパピリオでさえ、大人しい食事をしているようだ


(小竜姫は怖いでちゅね…)

パピリオはヒャクメを見て、自分に矛先が来ないように内心必死だ


妙神山の食事は、ほぼ全て小竜姫が握っている

ワルキューレやルシオラも多少手伝うが、基本的に小竜姫が作るのだ


小竜姫の機嫌を損ねれば、一週間嫌いな物のオンパレードな時もある


主にヒャクメだけだが…

前に胸の話になった時、ヒャクメが小竜姫もあまり変わらないと言って笑ったら、2人揃って一週間嫌いな物だけの食事を出されたのだ


横島が小竜姫の機嫌を取ったので、一週間で終わったが…

冷蔵庫にはまだまだ、2人の嫌いな物が満載であった


そこまでの事があっても

しばらくすれば忘れたように懲りない、ヒャクメとパピリオである



「ヒャクメ、食べないと食事は終わりませんよ」

小竜姫はヒャクメの前に座りニコニコと見張る


「よっ…横島君、毎朝こんな調子なのかい?」

西条は、少し苦笑い気味に横島に聞く


「毎朝じゃないよ。 たまにヒャクメとパピリオが悪さした時だけかな」

横島は全く気にした様子も無く、朝食を食べる


「止めなくていいのかい?」

西条は、横島や老師など止めれそうな人に問いかける


「いんだよ。 ヒャクメは結構楽しんでるんだから…」

横島が笑って話すと、老師やワルキューレが頷く


「楽しくないのねー 助けて欲しいのねー 西条さん!」

ヒャクメは唯一助けてくれそうな西条に助けを求める


「アハハハ… ご飯が美味しいな~」

西条はヒャクメの言葉を聞かなかったことにした

神様の痴話喧嘩を止める自信が無いのだ

(ヒャクメ様、許して下さい)

西条は心で謝る


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