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母からの伝言

「あら、鳥ですよ。」

「ほう、来ましたか。」

その頃美神事務所では幼いれーこのおやつの時間であったが、おキヌが窓をつつく小鳥を見つけるて小竜姫と共に窓の外を見ると人間に化けたハーピーが来ていた。


「あの人お客さんでしょうか?」

「いえあれは魔族ですね。 狙いはれーこちゃんでしょう。」

「どっ、どうしましょう!?」

「放っておきましょう。 どうせ中には入ってこれないようですし神族である私が姿を見せて下手に逃げられても厄介ですからね。」

史実と違い横島ではなく小竜姫が居ることであっさりハーピーの正体は見破るも、慌てるおキヌに小竜姫は笑顔で放置すると告げると窓から離れておやつを食べるれーこの元に戻る。

直接見た小竜姫はやはり令子でも対処出来るレベルであることにホッとして自ら手を下すまでもないと結論付けた。

おキヌは完全に放置することにした小竜姫にそれでいいのかなと少し戸惑うも、小竜姫には小竜姫の立場があるのだろうとおやつを食べ終えたれーこと三人で室内で遊ぶことになる。


「クッ。 出てこないじゃん!」

そしてハーピーの方だが窓から見えた人影に会釈をして用があると思わせることには成功したのだが、横島じゃあるまいしわざわざ外まで出てこないことにすぐに痺れを切らしてしまう。

ちなみにハーピーは昨夜から美神事務所を監視しているのでおやつや小竜姫の姿も見ているが、小竜姫に関しては最近は令子に頼まれて騒ぎになるからと角と力を隠し人に化けてるので正体まで気付いてなかった。

まあハーピーの実力では小竜姫クラスの神族が居たら本当に逃げ出してしまうだろうが。


「しょうがない。 大人の方を。 母親が来たら面倒じゃん!」

ハーピーに関しては暗殺に特化してる能力がある魔族ではあるし今までに人間を何人も葬って来たのだろうが、正直メドーサに比べれば力ばかりか頭もあまり良くないらしい。

素直に大人の令子を奇襲した時に追撃してれば良かったのだろうし、さもなくば一旦引いて我慢比べをすれば狙う側が格段に有利なはずなのだが、かつて自分を退治した母親の美智恵が幼いれーこを迎えに来てこの時代の令子と共闘することを恐れるあまり決着を急いでしまう。

その結果、事務所に居る幼いれーこを諦め再び大人の令子を探しにいつの間にか降りだした雨の中に飛び立って行った。


「本当に大丈夫なんっすか?」

「さっさと決着つけないと商売上がったりなのよ。」

一方の令子は不安そうな横島と強敵にワクワクする雪之丞という対称的な二人を連れて事務所からほど近い場所にある廃ビル跡地に来ていた。

そこは少し前に令子が除霊した場所でもうすぐ新しいビルを建てる工事が始まるところなのだが、ちょうどそれなりに広さもある割に障害物や邪魔になりそうな人が居ないことからハーピーを誘き出すために自身がハーピーが見つけやすい場所で囮となり様子を見ることにしている。

横島としては令子が攻撃を食らった相手だと聞きびびっているものの、令子としてはここで倒さないと面倒なのが分かっているので多少のリスクは仕方ないと考えていた。


「罠だとバレないか?」

「バレても多分来るわよ。 魔族ってのは人間を舐めてるもの。 それにさっき私が一撃食らって不意討ちだと避けれなかったの見てるもの。」

まあ今回も実際に結界を貼るのは心眼なので横島はこの場に居てくれるだけでよく、雪之丞の霊波砲と令子の銀の銃弾の自動小銃で攻撃をしてとりあえず空から落とせば後はどうとでもなる。

作戦としてはシンプルで囮となる令子と結界要員の横島が車で待機する中、雪之丞だけは一人離れた場所から逆にハーピーを不意討ちするというものだった。

雪之丞としてはこんな見え見えの罠に引っ掛かるのかと疑問を感じていたらしいが、令子は相手がメドーサクラスでないならば引っ掛かるのかと考えていた。




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