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GS横島 運命と戦う者

次の日

西条が目を覚ますと、知らない部屋であった

「う…、二日酔いかな。 僕は妙神山に泊まったんだったな」

西条は一瞬何処に居るかわからなかったが、二日酔いの頭痛で昨日を思い出す


「まさか妙神山で酒盛りをするとはな…」

西条は思わず笑ってしまう

神族の領域であり、人界であるが人界ではない場所

神が住む聖なる領域


特にGSにとっては、自分の限界を超える為の伝説の修行場

それが妙神山である


まさか妙神山で神魔に混じって酒盛りをするとは…

「他人に話しても信じないだろうな」

西条は何故か笑みがこぼれる


GSのほとんどは魔族は恐ろしい敵であり、神族は恐れ多い存在

仲良く酒盛りをしたなど、並のGSなら信じないだろう

例外は、横島を知る人間くらいか…


「面白い経験だった… 神魔も同じく個性があり、生きてるんだな…」

西条は人間の価値観や世界が、いかに小さいか心から感じていた


そんな感じで、西条が昨日の事を思い出していると、横島がやって来る


「起きてるか? 朝飯が出来てるが食えるか?」

横島は西条の様子を見て、二日酔いだと気がつく


「少し辛いな… まさか横島君に潰されるとはな…」

西条は先に潰れた自分に苦笑いがでる


「ほらよ、使え」

横島は文珠を一つ西条に渡す

「相変わらず、霊能とは関係無く凄いな」

西条は多少迷うが、二日酔いで寝てる時間も無い為、文珠を使う


文字は【快】

キィィーン!


文珠の効果がすぐに現れて、西条の二日酔いは完全に治る


「顔洗ったら、来てくれ。 小竜姫がご飯用意したからな」

横島が部屋を後にすると、西条はふと横島の言葉に気がつく

「小竜姫様を呼び捨てにした? まさか… やはり横島君は横島君なのだな」

西条は昨日の小竜姫の様子と、横島の今日の言葉で2人が恋人なのに気がつく


「神と魔を同時に恋人にするとは… どこまでも規格外だな」

少し呆れたように笑う西条だが、どこか横島らしいと納得していた


一方横島は、加速空間で小竜姫と過ごしたのが数十年

さすがに呼び捨てが当然になっていた


顔を洗い身だしなみを整えて西条が行くと、そこは普通の食事風景であった

神も魔も関係無く、賑やかに朝食を食べている


「西条さん、おはようございます。 どうぞ座って下さい」

小竜姫は西条にご飯と味噌汁を出す


「わざわざすいません。 小竜姫様」

西条は恐縮して頭を下げる


「遠慮してると、ヒャクメとパピリオに全部食われちまうぞ?」

「私はそんなに大食いじゃないのねー!」

「わたちは育ち盛りでちゅからいいんでちゅ」

横島が笑ってからかうと、ヒャクメは頬を膨らませて抗議するが、パピリオはルシオラの胸をチラ見して育ち盛りを強調した


「パピリオ… 今どこ見たの?」

ルシオラは満面の笑顔でパピリオの頭を撫でる

「ル…ルシオラちゃん、痛いでちゅ! 首が折れるでちゅからっ!」

パピリオは慌てて、ルシオラから逃げ出そうとするが…

ルシオラにしっかりと捕まっている


「パピリオとヒャクメって一言余計だよな~」

横島は自分で原因を作って起きながら、関係無いように食事をしている


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