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魔鈴心霊相談事務所始動!

「それにしても、うっとうしい視線だな」

その後教室に残った愛子を除いた横島達は帰るのだが、たくさんの生徒が横島達を遠巻きに見つめる視線を感じた横島は思わずため息をはいてしまう

吊るし上げにされないだけまだマシだとは感じるが、その視線は決して好意的なモノばかりではない

まあ大半の視線はピートと魔鈴に集中してるが、横島としてはピートはともかく魔鈴に集中する視線はあまり気持ちがいいものではなかった


「僕は慣れてますが……、日本人は変わってますね」

一方横島以上に視線に敏感なピートだったが、彼の場合は集まった視線が好意的な事に驚いている

吸血鬼と言うだけで敵対され忌み嫌う視線を向けられる事が少なくないピートは、日本の学校に内心驚きを隠せない


「そういえば、メゾピアノを引っ張り出したアレは何だったんですかいノー?」

校門を出て視線がかなり減った頃、無言だったタイガーは横島が見せた栄光の手について尋ねる

どうもずっと気になっていたのだが聞くタイミングがなかったらしい


「あれは霊波刀の一種だ。 いわゆる霊波を半物質化する技なのだが、こやつの霊能は霊力の物質化とコントロールが特にいいので私が教えた物だ」

タイガーの疑問に突然横島のバンダナの目が開き、心眼が説明を始める

基本的に説明や嘘が下手な横島がボロを出さないように、心眼が自ら説明を始めたようだ


「あれは全て横島君がやったのかね?」

「私もサポートしていたが基本的には横島の能力だ。 物質と霊体を分けて掴むなど今の横島には無理だからな」

心眼の説明に横島の能力に疑問を感じていた唐巣がすかさず詳しく尋ねるが、こちらも心眼は横島の能力を自分がサポートして出来たことだと告げる

この辺りの説明は一見簡単そうだが、実はかなり重要だった

今後の事を考えると横島は未来の歴史よりも驚異的な実力を披露するハメになる

その際の違和感や疑問を少しでも無くす為に、横島の能力と力を少しずつ周りに見せていく必要があった

最も先程横島がメゾピアノ相手に栄光の手を使ったのはただの偶然でそこまで深く考えた行動ではないが、心眼がその説明を利用して横島の高い能力を少しずつ唐巣に認識させようと考えたようである


「小竜姫様がわざわざ気にかけられた訳だ」

心眼の説明に唐巣はGS試験後の時に小竜姫が何故横島を気にしていたのか解った気がした

横島の能力の高さは現状でもすでに常識の範囲を超えているのだ

小竜姫の授けた心眼のサポートがあるとはいえ、横島の現状の能力は目の前で見た唐巣ですら信じられないほどなのだ

その才能の行く先を小竜姫が心配するのは当然なのではと唐巣は思ってしまう



「腹減ったな~」

「今日はケーキを焼いてますよ。 帰ったらお茶にしましょう」

唐巣の心配をよそに横島と魔鈴は互いが触れ合うほど近い距離で並びながら、楽しげに会話をしていた

そんな横島にタイガーは羨ましそうな視線を送るが、それについては誰も触れぬまま別れることになる


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