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平和な日常~夏~2

さてお昼に関してだが、今回は各自で好きな時間に適当に食べに行くことになっていた。

当初はお昼も横島に期待するような声もあったらしいが、それでは横島が休みにならないからと木乃香達が阻止したようである。

他には近場のレストランでも予約するかなどいろいろ話はあったようだが、結局は無難に海の家辺りに食べに行くことで落ち着いたらしい。


「……庶民の味ですわね」

そんなお昼だが結局は混雑を避けるように、少し早めにみんなで近くの海の家に食べに行っていた。

正直さほど美味しい訳ではなく海の家が初体験のあやかと千鶴は若干微妙な表情を見せていたが、特別にまずい訳でもなくごくごく普通である。


「しょみんのあじ?」

一方同じく海の家が初体験なタマモだが、こちらは少し不思議そうにあやかを見た後に自分も食べ始めていた。


「そういやタマモをこういう店に連れて来たことなかったな」

微妙な表情のあやかと違いタマモは何故か少し不思議そうなまま食べている。

どうも庶民の味という意味を理解してないらしいが、実際それは仕方ないことだった。

そもそもタマモは横島が作った食事しかほとんど食べた経験がないし、外食でも割と美味しい店しか行ってない。

唯一の庶民的な食事は先日のお祭りの屋台くらいなのだ。

はっきり言えばタマモにとって海の家の味は珍しく不思議な料理なのである。


「タマちゃんも日頃いい物食べてるんでしょうね~」

そんな何処にでもあるような料理に反応したのは、あやかと千鶴とタマモの三人なのだ。

横島を良く知る少女達は、横島がかなりタマモにはいい物を食べさせてるのだろうと笑っている。


「いや普通だぞ。 まあ外食は美味しい店に連れて行ってるつもりだけど……」

少し羨ましそうな視線を向ける少女達に横島はそれを否定するように普段は普通だと言うが、正直あまり信じてもらえてない。

当のタマモはそんな横島と少女達を見て楽しそうだと笑顔を見せており、料理に関しても残さず食べている。

実際さほど美味しいとは思ってないようだが、それでも文句を言う訳でも残す訳でもない。

まあ食べ物に対する価値観が現代の中学生とタマモでは当然違うのだろう。



昼食が終わると午前中とは一転してゆっくりとしてる者が多かった。

サンオイルを塗り体を焼く者も居れば、日焼けしないようにビーチパラソルの下に居る者もいる。


「マスター、オイル塗ってよ」

「……俺がやるとセクハラみたいになるだろうが」

「大丈夫よ。 セクハラはされた側がセクハラだって思わないとならないものなのよ」

そんな時美砂はここぞとばかりに横島にサンオイルを塗って欲しいと意味ありげな笑顔を見せるが、横島は少し間が開いた後に微妙に残念そうに断っていた。

そんな二人の会話に周りは笑いに包まれるが、これもまた日頃よくある光景であった。

下ネタとまではいかないが、結構際どい発言で迫る美砂に戸惑う横島の姿は少女達にとっていい笑いのネタなようである。



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