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GS試験再び!?

「聞いてんただろ、心眼」

「……運命とは皮肉なものだな。 おぬしを再び戦場に戻すとは……」

カオスのアパートを後にした横島が独り言のようにバンダナに言葉をかけると、懐かしいその声が横島の耳に響いていた


「運命か……、あんまり好きな言葉じゃないな」

懐かしいその声に横島は涙が込み上げてくるのを、必死に抑えて答える

横島に最初に霊能力の使い方を教えた存在であり、アシュタロス戦以前の横島にとっては唯一の師匠だったと言っても過言でない存在

ルシオラと違い絶対復活が出来ない存在だっただけに、横島の想いは言葉に出来ないほどである


「再びおぬしに会えた事は嬉しいが、複雑でもある。 おぬしは戦場に出るには優し過ぎる」

「再び!?」

「前にも言ったはずだ。 私は横島の心の目だと。 小竜姫様の竜気を受けしバンダナに心の目が宿ったのだ。 従って前と同じ存在であるし、おぬしの全てを知っている」

驚きの隠せない横島に、心眼は自身の存在について説明していく


「そっか。 頼むな」

「わかっている」

お互いの現状を理解した横島と心眼は、一言だけ言葉を交わして心眼は再び目を閉じる

何も語らなくとも心眼は横島の全てを理解しているのだから、それ以上言葉は不要だった



そのままアパートに戻った横島に、イギリスの魔鈴から電話が来る

「忠夫さん。 そちらは大丈夫ですか!?」

なかなか横島に連絡がつかず珍しく慌てた様子の魔鈴だが、横島やカオス達が無事だと知ると一安心する


「出来るだけ早く帰国しますから、絶対に無理はしないで下さいね!!」

明日がGS試験だと聞き心配になる魔鈴は、すぐに帰国すると告げて慌てて電話を切った


一方電話を終えた横島だが、ゆっくりとしてる時間はない

体の状態や霊力の確認など最低限確認する事がある


「心眼、霊力値はどのくらいだ?」

「こちらに来る前での十分の一もない。 不老不死の術の影響は有効だが、融合したこの時代の魂と霊体の影響もある。 お前は未来の横島忠夫であると同時にこの時代の横島忠夫でもあるのだ」

今の横島は未来と過去の横島が同一体になった状態である

未来において行った真の不老不死の術の影響で肉体はすでに霊体化しているが、元々の霊力値が低かった事で現在の横島の力は逆行前より著しく減少していた


「かなり力が落ちてるな。 しかも感覚が慣れなきゃ厳しいかも」

霊力を高めたり霊能力を試す横島だが、予想以上に感覚と体にズレがある

まあ修行すればすぐに慣れそうだが、明日の試験は間に合わないために心眼のサポートで戦うしかなかった



(あいつら大丈夫かな……)

そのまま時間が過ぎて深夜になるが、横島は眠れないままである

突然事故により過去に来てしまいルシオラを助ける希望も出来たが、帰る事が出来るかわからない未来には大切な人達がいる

自分達が突然消えてしまい心配してるだろう人達が、横島は心配でならなかった


(大丈夫だ。 あっちは平和だし、いつか戻れるかもしれない)

残して来た者達を心配する横島だが、大切な存在はこの時代にも居るのだ

この時代が平和になるまでは、未来の事は大丈夫だと自分に言い聞かせるしかなかった


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