このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

平和な日常~夏~2

千鶴の一件が一段落して店の仕事に戻る横島だったが、この日は外の気温が35度を記録しており店内は涼みに来た客で割と賑わっていた。

ギラギラと照り付ける太陽の日差しで真夏日の麻帆良だったが、クーラーの効いた店内は涼しく快適なのだ。

おかげて少し前に導入したソフトクリームもよく売れているが、こう暑くなるとかき氷の方が売れている。

ちなみにかき氷は異空間アジトの方で作られた天然氷であり、シロップもくだものを使って手作りした物だった。

値段的には他で売ってる一般的なかき氷より若干安くしており、ある意味売れて当然な物である。

正直そこまで凝って作る必要がある訳ではないが、横島自身が普通だとつまらないと考えてることや、どうせなら美味しい方がいいだろうとの考えから自然と凝ったかき氷になってしまっていた。



「アスナ~、いちごみるくのかき氷もう一杯!」

「もう五杯目よ。 大丈夫なの?」

さて夏休みに入って少し変わったことといえば、明日菜・夕映・のどかが正式にバイトに入ることになったことだろう。

正直今までもよく手伝っていてバイト代も貰っていたのでやることに大差はないが、夏休みは学生達の客が増えるのを見越して正式にシフトを組むらしい。

この件に関して実は木乃香達が自発的に考えたことであり、横島は彼女達の意見をそのまま聞き入れただけだったりする。

ちなみにこの話に入るかどうかを一番悩んだのはのどかだった。

元々人見知りが激しく基本的に男性が苦手なだけに、木乃香のように上手くやる自信がないらしい。

今までものどかは手伝ってはいたが、それは木乃香や夕映が一緒だっただけに一人で手伝うのは結構悩んだようなのだ。

まあ最終的には人見知りを克服したいとの気持ちがあったのどかが、勇気を出してバイトをすることに決めたのだが。

そんな訳でこの日は朝から明日菜がバイトに入っていたのだが、客として来てる裕奈とまき絵が先程からかき氷を何杯も食べてる姿に若干不安げだった。


「だって美味しいんだもん!」

「お腹壊しても知らないわよ」

友人として食べ過ぎには注意するが、それでもなお食べたいと言い張るならば出さない訳にはいかない。

まあ死にはしないかと考えた明日菜は呆れた表情をしながらお代わりを持っていく。


「あらあら、負けそうだわ」

一方タマモはどうしてるかと言えば、何故か千鶴とオセロをしていた。

実は先程まではさよとタマモがオセロをしていたのだが、タマモが勝ってしまいそれを見ていた千鶴が一緒にやろうと誘ったのだ。

そのまま両者ニコニコとしたオセロは始まるが、笑顔の表情と裏腹にオセロはギリギリの切迫した勝負を続けている。

幼いとはいえ金毛白面九尾のタマモは、やはり頭もよく学習能力も高い。

種族として最低限な記憶が不完全なため性格や価値観は子供そのものだが、やはり基本的な能力は桁が違うようだった。

まあそんなタマモと互角な千鶴も何気にオセロが強いのだが。



39/100ページ
スキ