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あの素晴らしい日々をもう一度

「それで、一体いつの間にあの人間と!?」

「出会ったのは彼が霊能者の助手として妙神山に来た時ですよ。 そのあと一度天龍童子殿下の暗殺未遂の事件の時にも会ってますが。」

小竜姫がお茶を出したことでヒャクメはゴシップ好きのおばさんのごとく瞳を輝かせて小竜姫に横島とのことを根掘り葉掘り問いただしていき、小竜姫も未来から来たこと以外は不思議なほど素直に話して教えていく。

無論小竜姫はただ諦めて話した訳でもお人好しなだけで話した訳でもなく、話す以上きちんと対価は貰うつもりである。


「でも変よね? 小竜姫がそれで突然人間と暮らすなんて?」

「ねえヒャクメ。 貴女と私は友達ですよね?」

「もちろん友達なのねー。 ってなに? なんか嫌な予感が……。」

ヒャクメはGS試験を終えて現状に至るまでの話を全て聞いても当然ながらまだ疑問があるようだが、そんなヒャクメに小竜姫は優しく微笑み友達であることを再確認した。

この時ヒャクメは小竜姫があまりにも素直に話しすぎたことに気付き、思わず逃げ出そうとするも小竜姫に腕を捕まれ逃げることは出来ない。


「友達なら私のこと助けてくれますよね?」

「もっ、もちろんなのね!」

「幾つか調べて欲しいことがあるのですよ。 上層部にも絶対内密に。」

逆らってはいけないと本能的に悟ったヒャクメは怖いくらい優しい笑みを見せる小竜姫にビシッと敬礼すると、小竜姫はヒャクメに耳打ちして幾つかの頼み事をしていく。

途中ヒャクメの表情には疑問ばかりで意味が分からないと言いたげであるが、上層部にも絶対内密にとの言葉から顔色が悪い。


「小竜姫、貴女一体……」

「それは知らない方がヒャクメの為ですよ。 万が一の場合もありますから。」

小竜姫は一体何を考えてるのかと思わず口に出してしまうヒャクメだが、流石に小竜姫もヒャクメを完全に巻き込むことを躊躇う気持ちがあり全て話さぬままに話を終える。

一方のヒャクメの方も小竜姫のことを上層部に報告すべきか少し迷うものの、小竜姫の頼みは意味が分からぬが神族の掟に反してる訳ではない。

結局メドーサ絡みなのかと考えヒャクメは小竜姫の頼みはごとを手伝うことにするが、これが結果的に未来よりもヒャクメを一連の事件に巻き込むきっかけになるとは小竜姫も気付いてはなかった。

ともかくヒャクメは小竜姫をからかったことをちょっぴり後悔しながら帰ることになる。



「横島君、今日のお弁当はなんなの?」

「いや昨日仕事で都内のホテルに泊まってな。 これそのホテルに頼んで貰った弁当なんだ。」

その頃横島はちょっとしたパーティのオードブルのような派手な弁当を持参してクラスメートの注目を集めていた。

昨夜はホテルに泊まった為に小竜姫がホテルに横島の弁当を頼んだらしいが、未だに小竜姫は横島に重箱弁当を持たせているのでホテルにも五人前の弁当として頼んだらしい。

霊障のせいで廃棄になる食材が多いことからホテル側も半ばやけくそで贅沢過ぎる弁当を作ったらしく、横島の高校には不釣り合いなほど高級食材がふんだんに使われた弁当を持参していた。





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